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【セレッソ】 vs ヴィッセル神戸（2022年J1リーグ第24節）

　今日のセレッソ大阪は、ホームでヴィッセル神戸と対戦。
　スタメンは下記公式Twitterの通り。

　DFヨニッチがベンチ外で、鳥海と西尾が2CB、左SBは舩木。奥埜がベンチスタートで、原川と鈴木徳真の2ボランチ、両サイドはジェアン・パトリッキと中原。そして2トップはアダム・タガートと上門というスタメンである。
　ゲームは前半にセレッソが2点先制し、さらに後半に1点を追加して、3-0 のクリーンシートで試合を終えている。

C大阪 3-0 ヴィッセル神戸

　立ち上がりは両チームとも集中したプレーを見せ、まずは9分にヴィッセル大迫がサイドからのクロスにボレーシュートを放つも、GKキム・ジンヒョンがキャッチ。
　セレッソも11分にPA内でパスを貰ったFW上門がシュートを打つが、神戸DFマテウス・トゥーレルがブロック。

　しかし13分にアクシデント。MF原川がヴィッセルFW佐々木大樹のラフなチャージで肩を痛め、早い時間帯に負傷交代となってしまった。

　代わりにスクランブル出場となったのが奥埜。しかしその彼が絡んで21分にセレッソが先制に成功する。
　きっかけは、ヴィッセルのGKからのビルドアップの場面での、セレッソの前線が高い位置から仕掛けた猛プレスだった。これが相手のパスミスを誘い、神戸GK飯倉からパスのようなボールを受ける形となったMF奥埜がワンタッチで縦に入れ、ボールを受けたFWアダム・タガートがワントラップから振り向きざまシュート。
　これがGK飯倉の股を抜く先制ゴールとなった。
　タガートの決定力も奥埜のワンタッチ縦パスも申し分ないが、その前のプレスの際の上門のパスコースの切り方も隠れたファインプレーである。


　さらに30分に追加点。コーナーキックからの場面で、キッカーはMF鈴木徳真。
　ボールは一旦、跳ね返されるが、再びサイドでボールを貰った鈴木がクロス上げようとするも、ほとんどヴィッセルの選手が詰めてこないため、意表をついたグラウンダーのミドルシュート。
　これが誰も触れずにゴールネットを揺らし、鈴木のJ1初ゴールとなった。


　さらにその直後の32分にも、左サイドを完全に崩してPA内にクロスが入り、右からMF中原が走り込んだが、ここはヴィッセルDF酒井高徳に阻まれ、追加点にはならず。
　この辺りから少し神戸に押し込まれる展開が続いたが、失点には至らず、セレッソの2点リードで前半を折り返し。


　そして後半、まずは48分にヴィッセルMFイニエスタのスルーパスからFW佐々木がクロスを入れ、FW大迫がニアで反応するが、GKキム･ジンヒョンがセーブ。
　その直後にセレッソはロングカウンターを仕掛け、最後はMFパトリッキがシュートを放つが、角度もなかったことから決められず。
　パトリッキはさらに58分にも左サイドでボールを持ち上がって、カットインから右足の巻いたシュートで神戸ゴールを狙ったが、枠外に終わってしまった。
　ちなみにパトリッキと中原はこのプレーを最後にベンチに下がり、代わって為田と毎熊がピッチに入っている。

　その後は比較的ヴィッセルが攻勢に出る展開。前半は面白いほど繋がったセレッソのビルドアップが滞るようになり、73分にはキム・ジンヒョンのパスミスから、最後は山口蛍にPA内でシュートを打たれるが、これはGK正面でジンヒョンがブロック。
　これで与えたコーナーキックでも、ファーサイドで神戸FW佐々木に頭で合わせられるが、ボールは枠外。
　さらにその直後にも、左SB酒井高徳からピンポイントクロスを入れられ、入ったばかりのFWステファン・ムゴシャに打点の高いヘディングシュートを打たれるが、これもGKキム･ジンヒョンがキャッチ。

　こうして神戸は良い時間帯に決めきれずに試合が進み、アディショナルタイムに近づいてきた86分、毎熊がヴィッセル陣内でファールを受けて、セレッソがフリーキックを獲得。
　ボールの位置には当初、DF松田が立っていたが、MF鈴木徳真が近づいて行き、さりげなくリスタートしてすぐ脇の松田にパス。
　松田は狙い済ましてゴール前へボールを入れ、これを後半から投入されたFW加藤が頭で押し込み、ダメ押しの3点目となった。

　加藤はこの日が誕生日で、自らを祝うバースデーゴールとなった。


　すでに試合終了が近い時間帯であり、セレッソは危なげなく時計の針を進めて、94分に追加タイムを消化してホイッスル。下位チーム相手とはいえ、3-0 の申し分ないスコアで連勝を飾ることとなった。

　今日のゲームでいえば、前半にハイプレスが効いていたことが勝利の一因だろう。特にFW上門は得点こそ上げられなかったものの、タイミングの良いプレスで何度もボールを奪い、セレッソに好機をもたらしていた。
　またセレッソはピッチにいる11人全員が偏りなく存在感を示しており、チーム内の連携においてヴィッセルとは大きな差があった。フォワード陣は献身的なプレスバックで後方を助け、ディフェンス陣は丁寧なビルドアップで前線へボールを届ける。
　誰が欠けても成立しにくい、それでいて誰が交代しても同じことが再現できるという、極めて付け入る隙きのないチームに仕上がりつつある。これは良い意味で相当に驚くべき状況である。
　少なくとも私が観ている限り、今ほどセレッソが勝負強い時期は過去になかったと思う。

選手採点（セレッソのみ）

GK
キム･ジンヒョン　6.5
特に前半はロングフィードが冴えまくり、とんでもない精度のパスを出してスタジアムを沸かせていた。セービングも安定し、クリーンシートを達成。

DF
松田 陸　6.5
あまりクロスを上げるシーンは多くなかったが、終盤に試合を決定づける加藤のバースデーゴールをアシスト。

西尾 隆矢　6.5
果敢な飛び出しや身体を張ったプレーで勝利に貢献。イニエスタに対しても、もちろん物怖じせずチェックに行っていた。

鳥海 晃司　6.5
一度か二度、判断に疑問符のつくプレーはあったが、それ以上に好プレーが光った。特にCBとしては水準を超える足元の技術が頼もしい。

舩木 翔　6.5
ややバックパスが多いのは気になるが、リードしている時間帯でセーフティになるのは仕方ないとも言える。パトリッキとの連携も精度が上がっており、山中や丸橋が不在でも戦力ダウンにならないことを証明しつつある。

MF
中原 輝　6.0 (59OUT)
22分と32分の好機の場面、どちらかは決めたかった。本人にとっても今日はアピールすべきゲームであり、それだけに悔やまれるだろう。ただ右足で入れた絶妙なアーリークロスなど、技術の高さは光ったと思う。

原川 力　ー (17分OUT)
出場時間が短く採点なし。

鈴木 徳真　7.0
まるで元ガンバ大阪（現ジュビロ磐田）の遠藤保仁のように、堂々としたプレーとボールの散らし方。さらに自身J1初ゴールを決めるなど、素晴らしいパフォーマンスを見せた90分だった。

ジェアン・パトリッキ　6.5 (59分OUT)
個人的には後半からの投入のほうが彼の能力は活きるとは思うが、ターンオーバーも必要なので采配に不満はない。ただ途中出場で相手に与える脅威を100とすれば、スタメン出場では70くらいかなと感じる。あと、彼の速さに味方の上がりが間に合わないという、悩ましいシーンもあった。

FW
上門 知樹 　6.5 (80分OUT)
すでに述べた通り、彼のプレスはタイミングと入り方が抜群なので、実際にボールを奪える回数が少なくない。すなわちショートカウンターの回数が増えるので、今日はそれが得点には繋がらなかったものの、間違いなくチームの勝利には貢献したといえる。

アダム・タガート　7.0 (46分OUT)
前線での献身的な動きと華麗なターン。そして先制ゴールと、助っ人としての力量を遺憾なく発揮した。

 

交代出場
奥埜 博亮　6.5 (17分IN)
ようやくのベンチスタートでゆっくり休んで欲しかったが、原川の負傷により前半の早い段階でピッチへ。そしていつも通りの彼らしい気の利いたプレーを見せてくれた。

加藤 陸次樹　6.5 (46分IN)
ヴィッセル選手の心を折る3点目にして、自らを祝うバースデーゴール。決めてくれて、皆がホッとした。

為田 大貴　5.5 (59分IN)
途中出場で入って早々、足裏を見せた危険なプレーで一時、また一発退場かとヒヤヒヤしたが、最終的なジャッジはノーカード。とはいえ軽率なプレーは控えて欲しいし、何より相手選手を怪我させてしまうような行為は慎むべきだ。

毎熊 晟矢　6.0 (59分IN)
中原→毎熊という、J2チームから移籍してきてくれた選手で右サイドを継ぐ光景は、何となく誇らしい気分になる。プレー選択も的を射たもので、安心して観ていられる安定感がある。

山田 寛人　ー (80分IN)
出場時間が短く採点なし。


監督
高橋 大輔　6.5
小菊監督のコロナ感染により、先日のルヴァン杯に続いての代行監督。采配も効果的で、3-0 という非の打ち所のないスコアで終えた。

 

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