ルヴァン杯決勝戦の悲劇的な敗北から失意の1週間を経て今日、セレッソ大阪はアウェイで京都サンガと対戦。
スタメンは下記公式Twitterの通り。
明治安田生命J1リーグ第33節
— セレッソ大阪オフィシャル (@crz_official) October 29, 2022
10/29 15:00 KICK OFF⚽️
京都サンガF.C. × #セレッソ大阪
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ルヴァン杯決勝で一発退場となったCBヨニッチは出場停止で、西尾が鳥海とともに2CB。
またSB山中は先日プレスリリースがあった通り、左眼窩底骨折および左鼻骨骨折で全治2ヶ月。今節は代わりに舩木翔が左SBにスタメン入り。
前線には上門と清武が入っている。
試合は、両チームともそれなりに好機を作ったが、0-0 のスコアレスドローに終わっている。
京都サンガ 0-0 C大阪
立ち上がりは、一進一退の攻防。どちらもボールを奪ったら縦に急ぐオフェンスで、相手ゴールに迫る狙いである。
ただ相手のペースにのって体力を消耗する必要はないと判断したのか、途中からセレッソは丁寧にボールを繋ぐようになった。
前半でいえば、徐々に京都サンガが優勢に立ち始めたが、決定機としては18分のクロスに合わせたFW豊川のシュート、さらにそのこぼれ球に松田天馬が倒れながら放ったシュートが挙げられるが、それぞれGKキム・ジンヒョンとCB西尾が立ちはだかって、失点は防いでいる。
そして後半もややサンガが押し気味で始まり、57分にはサンガDF荻原にバイタル左からポスト直撃の強烈なミドルシュートを打たれている。
しかしその直後、セレッソはFW清武、MF為田に代えて、FW北野とMFジェアン・パトリッキを投入。この辺りから少しずつ流れが変わり始めた。
まず入って間もない北野が右サイドで相手を一人かわして持ち上がり、GKとDFの間を通すアーリークロス。残念ながらこのボールには誰も合わせられなかったが、相手にとって嫌な場所に入れた質の高いクロスだった。
さらに64分には、ボックス外にこぼれ出たボールをMF奥埜がダイレクトシュート。しかしここはサンガGK上福元がファインセーブ。
75分にはロングカウンターから京都ゴールへ迫ったが、最後FWアダム・タガートはGK上福元の飛び出しによってシュートまで持ち込めず。
79分にもロングカウンターの場面があり、SB松田陸とFW北野が京都ゴールを脅かしたが決めきれず。
81分にはMFパトリッキのクロスに、ゴール前へ走り込んだMF毎熊がこの試合いちばんの決定機を迎えたが、ここもGK上福元がビッグセーブ。
ちなみにこれらの好機は、ほとんどが左サイドのパトリッキを起点としている。
そしてこの直後のコーナーキックでも、ニアに走り込んだパトリッキが頭で合わせてが、またしてもGK上福元が弾いて、なかなか先制点が奪えない。
後半アディショナルタイムの92分には、ボックス外からMF中原が強烈なミドルシュートを放つも、GK上福元が右手1本でセービング。
逆にその1分後には、セレッソPA内でマイナスのパスを受けたサンガMF荒木がフリーで右足を振り抜くビッグチャンスがあったが、懸命にシュートコースに入ったSB舩木がブロックし、劇的なアディショナルタイム・ゴールを防いでいる。
結局、両チームとも得点は奪えず、スコアレスドローで試合終了。
残留争いを繰り広げる京都サンガは、どうしても勝ち点3が欲しかったと思うが、セレッソもヨニッチと山中を欠く中、硬い守備を見せたといえる。
しかし攻撃に関しては、どのようにゴールを狙っているのか、形が見えないのが率直な感想だ。スタメンでいえば1列目に上門と清武が並ぶが、二人とも身体を張ってボールを収めるタイプではない。
特に清武は降りてボールに触るシーンが多いので、事実上、上門の1トップという時間帯も少なくない。相手とすれば比較的、守りやすい状況だろう。
清武が本調子ではないとも思えるが、彼の役割がシステムにフィットしていないのは明白だ。実際、彼がベンチに下がってからのほうが攻撃は活性化している。
清武のポテンシャルについては、何の疑問も持っていない。大事なのはそれをどう活かし、チームに還元させるのか、そのためのシステムとスタメン選びである。
まるでシーズン序盤のような試合後の感想を心に抱いた、今日の一戦だった。
選手採点(セレッソのみ)
GK
キム・ジンヒョン 6.0
特に前半はいつも以上に精度の高いフィードが目立ち、セービングも安心して観ていられた。
DF
松田 陸 6.0
終盤は疲れが見えたが、それまではベテランらしい安定感があった。
西尾 隆矢 5.5
細かいミスはないこともなかったが、まずまずのパフォーマンス。
鳥海 晃司 5.5
前半18分にサンガFW豊川に振り切られてPA内に侵入を許すなど、いつものように90分の間に1度は必ず首を傾げたくなるプレーがある。それさえ無くなれば、不動のCBになりえるとは思うが、たった1度のミスが失点につながるポジションなので、さらなる精進を期待したい。
舩木 翔 5.5
悪いパフォーマンスではなかったが、彼が対峙した相手から何度もクロスを許しており、ちょっと守備の対応が軽かったかなと感じた。ただし試合終了間際のサンガMF荒木のシュートをブロックした場面は、チームを救う値千金のプレーだった。
MF
毎熊 晟矢 5.0 (83分OUT)
本文でも触れた、81分の決定機を外したのは痛かった。他の場面でも存在感を示せず、物足りなさだけが残った。
鈴木 徳真 5.5
無難に底を守り、ビルドアップの起点となっていたが、それだけだった。
奥埜 博亮 6.0
彼がボールを持ったときに、どこへ出すべきか迷っているようなシーンが散見された。シーズン終盤のチームとしては、少し残念な事実だ。彼自身のパフォーマンスは、いつも通り及第点以上。
為田 大貴 5.5 (59分OUT)
彼が途中でパトリッキを交代するのは、もはや既定路線であり、それまでは全力で走ることを求められているのだろう。序盤からしっかり走りきっていたが、チームを勝たせるには至らなかった。
FW
清武 弘嗣 5.0 (59分OUT)
彼のポテンシャルを考えると到底、満足できるパフォーマンスではない。彼の問題というよりは、彼が降りたりサイドに流れた際のチームの攻め方が定まっていないように思える。彼のスーパーなプレーで相手ゴールへせまるのか、または彼を型にはめてプレーをさせるのか、チームとして模索しているような印象だ。
上門 知樹 5.0
シュートは打っているが、あまりボールが来なかったという印象が強い。彼の長所である裏抜けを何度も狙っていたが、それに呼応するパスは、ほとんど観られなかった。
交代出場
ジェアン・パトリッキ 6.5 (59分IN)
相変わらず守備に関しては不安要素だが、本文でも触れた通り、後半のセレッソの好機のほとんどは、左サイドの彼にボールが渡るところから始まっている。その中の1つでも決められていれば良かったのだが。
北野 颯太 6.0 (59分IN)
いつも彼のことを高く評価してこなかったが、今日のプレーは良かった。走るべきシーンを全力で走り、デュエルでも負けず、チームにチャンスをもたらしていた。
アダム・タガート 5.5 (56分IN)
よくボールを収めていた。彼の使い方にしても、もっと効果的な方法があるのではないだろうか。
中原 輝 ー (83分IN)
出場時間が短く採点なし。ただしその短い時間の中で何度もボールに絡み、チャンスクリエイトをしていた。
監督
小菊 昭雄 4.5
ここ数試合のメンバー選考、采配は、やはり満足の行くものではない。少なくとも攻撃に関しては目指すべき道筋が見えて来ないし、ブレているといよりは、定まっていないといった感じである。メンバー交代が事実上、固定化されているのも、相手としてはスカウティングがやりやすい筈である。
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