本ページはアフィリエイトによる収益を得ています

【セレッソ】 vs コンサドーレ札幌(2022年J1リーグ第28節)


 今日のセレッソ大阪は、残留争いに片足をつっこんでいる北海道コンサドーレ札幌と、アウェイで対戦。
 スタメンは下記公式Twitterの通り。

 累積警告で出場停止のDF松田に代わって、今節は毎熊が右SB。1列前に為田が入り、左SHはジェアン・パトリッキがスタメン出場。2トップはアダム・タガートと上門である。
 ゲームは、セレッソが圧倒的に数多くのチャンスを作り、先制点ももぎ取ったが、劇的な逆転負けを喫する結果となった。

コンサドーレ札幌 2-1 C大阪

 立ち上がりは、攻守の入れ替わりが激しい、両チームとも縦に急いだ展開。
 しかしすぐにMF奥埜を軸に意図的に試合を落ち着かせ、その後はセレッソがゲームを支配する形になった。特に序盤は、2トップのプレスが明確かつ効果的で、縦に間延びしないよう行きすぎず、それでいて連携してパスコースを消し、コンサドーレのビルドアップを上手く阻害していた。

 とにかく前半のセレッソは、数多くのチャンスを作った。
 5分にはショートカウンターから、早くもFWアダム・タガートが抜け出す決定機を得たが、右足アウトにかけたループシュートはクロスバーに直撃。
 12分には左SB山中のクロスに、中央でパトリッキが飛び込んだが、ダイビングヘッドはほんの僅かに届かず。
 17分にもパトリッキの俊足を活かして左サイドを崩したが、クロスはニアでブロックされ、シュートまで持ち込めずに終わった。

 24分にはコーナーキックから、最後はゴール目前で為田がシュートを試みたがカス当たりとなって決定機をモノに出来ず。
 為田は40分にも左サイドで抜け出て、札幌PA内まで侵入したが、最後はシュートではなくパスを選択し、戻った相手にカットされて終わっている。
 ちなみに為田に限らず今日の試合は、相手PA内でシュートするのかパスを出すのかの判断が、チグハグになるシーンが多かった。24分の、上門がシュートではなくパスを出してカットされた場面も、そのひとつだ。
 結局、多くのチャンスを創出したにも関わらず先制が遠く、前半だけで6本あったコーナーキックも、いずれも不発に終わっている。


 そしてスコアレスのまま迎えた後半、前半に比べればコンサドーレの攻める時間も増えたが、流れはセレッソが握ったままではあった。
 51分にはGKキム・ジンヒョンのロングフィードから最後は為田がミドルシュートを放ったが、これはキーパー正面。このシーンも、右でFWアダム・タガートがフリーだっただけに、パスを出しても良かったと思う。

 しかし何より66分の場面。左サイドをSB山中が抜け出し、中央へループのクロスを上げて、ゴール正面にいたFW上門が左脚でシュート狙ったが、まともにヒットできず、無情にもボールはゴールの上へ外れたシーン。
 これ以上ない決定機であり、「これを決めれんならそら勝てんわ」と思える、あまりにも勿体ないシュートミスだった。

 ただし先制したのはセレッソ。
 77分、バイタルエリアで途中出場の清武がボールを持ち、中央に持ち込む際にコンサドーレMF駒井に引っかかってボールは右に転がり、それをやはり途中出場の中原がダイレクトでシュート。
 この1タッチで巻いたシュートが、ゴールのファーサイドに吸い込まれるビューティフルな先制ゴールとなった。


 しかしその後、徐々にセレッソの選手たちの足が止まり始め、攻撃も単発に。
 84分の絶好のカウンターの場面も、単独でFWブルーノ・メンデスが抜け出して遠目からシュートを打つしかなく、難なくコンサドーレGK菅野にキャッチされて終わっている。

 すると85分、札幌ゴールライン付近でパスを受けたブルーノ・メンデスが何事もなくボールを奪われ、コンサドーレがロングカウンター。最後はMFガブリエル・シャビエルの上げたクロスを、FWキム・ゴンヒが頭で合わせてセレッソのゴールネットを揺らし、ゲームは振り出しに。
 さらに後半アディショナルタイム。まさにラスト1プレーという時間帯に、MF青木に右足を振り抜くシュートを決められ、逆転されると同時に試合終了となった。


 あまりにも悔しすぎる敗戦であり、なにも振り返る気になれないのが率直なところだが、敗因のひとつは言うまでもなく、数多くのチャンスを決められなかった決定力の欠如。逃した好機のうちのいずれか、最低限1つか2つは決めて欲しかった。
 そしてもうひとつ浮かぶのは、特に途中出場した選手たちの、責任感のない緩慢なプレーだ。ブルーノ・メンデスはボールロストを繰り返し、山田も雑なプレーが目立ち、プレス強度も実に緩かった。清武もボールが足につかず、チームに流れを持ちこむのとは程遠いパフォーマンスだった。
 途中出場4選手のうち、中原こそ先制ゴールを決めてくれたが、他の3人は粘りのないプレーに終止し、そのまま失点につながっている。
 ここ数ヶ月、セレッソは途中出場の選手の得点が多いと評価が高かったが(確かに今日も中原が得点しているが)、今節についてはそれらの選手に敗因があったと言わざるを得ない。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 6.0
試合開始直後から優れた精度のロングフィードを何度も見せ、ビルドアップの重要な起点になっていた。試合後、タオルをピッチに叩きつける映像がDAZNで流れていたのが印象的だったし、気持ちはよく理解できた。

DF
毎熊 晟矢 5.5
今節は右サイドバックとしてスタメン。及第点は与えられるパフォーマンスで、松田のいない穴を何とか埋めてくれた。

鳥海 晃司 5.0
非常に好プレーが多く、それだけに1失点目の札幌FWキム・ゴンヒのマークに付き切れなかったのが悔やまれる。

ヨニッチ 6.0
いつも通り鉄壁の守備を披露。札幌のロングボールへの対応は無双を誇った。

山中 亮輔 6.0
何度も上下動を繰り返し、いくつものチャンスを演出した。チームは破れたが、彼のプレーは素晴らしかった。

MF
為田 大貴 5.0 (76OUT)
何度も好機に絡んだ動きは見事だったが、そのチャンスをいくつか潰してしまったのも事実。ちょっと評価は難しいが、高得点は与えられない。

奥埜 博亮 6.0
優れたポジショニングでセカンドボールを拾い、チームを助けていた。またGKキム・ジンヒョンがロングボールを蹴る際は、意図してかなり前に上がっていたようだが、恐らくそういう事前戦略があったのだろう。

鈴木 徳真 5.5
早い時間帯に札幌MFガブリエル・シャビエルにイエローカードを与えるなど、クレバーな判断と優れた身体の使い方を見せてくれた。

ジェアン・パトリッキ 5.5 (58分OUT)
ワンパターンと感じさせるプレーが気になったが、相手に脅威を与えていたことは間違いない。ただどちらかといえば、やはり途中出場向きの選手ではあると思う。

FW
上門 知樹  4.5 (68分OUT)
彼も良いプレーが多かったが、上述した決定機の逸脱が最後まで響いて敗北を喫したことを考えると、そうしても採点は厳しくなってしまう。

アダム・タガート 5.5 (58分OUT)
後ろからのボールの競り合いにことごとく勝ち、チームを助けていた。あとは得点だけだったが。

 

交代出場
中原 輝 6.0 (58分IN)
ピッチに入ってしばらくは、やや球離れが悪いと感じたが、美しい軌道を描いたシュートで先制点をもぎ取った。

山田 寛人 4.0 (58分IN)
攻→守への切り替えが遅く、プレスもおざなり。「プレスしたふりをしている」と表現してもいい、相手にほとんどプレッシャーのかからないプレスだった。金輪際、今日のような無責任なプレーは謹んで欲しい。

清武 弘嗣 4.5 (68分IN)
コンサドーレに対して何の脅威も与えられず、前節に続いてピッチで敗戦を見守るだけになってしまった。

ブルーノ・メンデス 4.0(76分IN)
目を疑うほど簡単に前線でボールを失い、何度も札幌のカウンターの起点になっていた。

 

監督
小菊 昭雄 5.0
交代カードを切るたびにチームが弱体化。交代策が問題なのではなく、交代で入る選手の質の問題だが、もちろん監督にもその非はある。ただ多くのチャンスを作ったことは、評価すべきだろう。これからカップ戦とリーグ戦のどちらの重きをおいて試合をこなしていくのか、難しい舵取りを迫られることになる。

 

↓ コメントはこちらへ ↓

タイトルとURLをコピーしました