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【セレッソ】 vs 京都サンガ(2024年J1リーグ第17節)

 今日のセレッソ大阪は、アウェイで京都サンガと対戦。
 スタメンは、下記公式Xの通り。前節からは、クルークス→カピシャーバへ変更となっている。

 ゲームは、前半にセレッソが先制するも後半に追いつかれ、1-1のドローに終わっている。

京都サンガ 1-1 C大阪

 試合開始30秒ほどで、京都FW豊川がファーストシュート。その後もサンガがセレッソを押し込む時間帯が多く、立ち上がりは京都のペース。

 セレッソは、11分にルーカス・フェルナンデスが強烈なミドルシュート。
 13分にはSB舩木のクリアー気味のロングフィードで、FWレオ・セアラが京都PA内へ抜け出しかけるも、懸命に戻った京都DF麻田に阻まれる。
 しかしこの辺りの時間帯から、徐々にセレッソもペースを掴み始める。ボール保持では両サイドが広く位置どり、中へのパスとサイド奥へのロングパスの、両方を巧みに使い分け、ジワジワと京都ゴールに迫って行った。

 そして32分に先制に成功。
 ビルドアップの場面で、戻りながら縦パスを受けたルーカス・フェルナンデスがヒールでボールを奧埜へ。奧埜はバイタル付近までボールを運び、ボックス内のスペースへ走りこむヴィトール・ブエノへスルーパス。
 ブエノはピタリとトラップを決め、自らシュートを打つかと思われたが、彼は中央のレオ・セアラへのラストパスを選択。これをレオ・セアラがきっちり決めての先制点だった。

 ゴールマウス直前でのパス交換は、何だか2013年頃のセレッソを思い起こさせる得点である。
 ただしこのゴールが、90分を通して最も質の高い崩しだった。
 この後は38分、41分と京都サンガに危険なシーンを作られ、前半アディショナルタイムの46分にも、PA内のゴール真正面からほぼフリーでFW豊川にシュートを許している。
 豊川のシュートがヒットしなかったため失点は免れたが、サンガにとっては完全な決定機だった。
 そして前半はセレッソの1点リードで折り返し。

 そして後半。
 まずは47分に、MD田中のボール奪取から、前線のFWレオ・セアラへスルーパス。裏へ抜け出しかけたが、京都DFふたりに捕まり、シュートまで持ち込めず。

 51分には、右奥のスペースへ出されたパスをSB毎熊が折り返しのクロスを上げるが、ゴール前へ走り込んだレオ・セアラまでは届かず。
 ただしこのシーン、クロスが入った時にボックス内は、京都7人に対してセレッソはレオ・セアラたった1人である。カウンターでもないのにだ。
 今日の試合で似たようなシーンは何度もあった。SB登里がボール保持でボランチ化していた頃は前に人数をかけ、クロスに対してPA内に3人くらい走り込んでいたはずである。7対1では、優れたストライカーでも決めるのは至難の業だろう。
 低迷する小菊セレッソの象徴ともいえるシーンだった。

 そして54分、何でもないサイド攻撃から失点。

 ゴールシーンは必ずVARチェックが入るという今の時代に、相手がPA内からシュートを打つタイミングで片手を上げてオフサイドをアピールするCB西尾の残念さは筆舌に尽くしがたい。案の定、背後に走り込んだ京都MF松田天馬に押し込まれるのである。

 同点に追いつかれた後のセレッソは、攻撃の形も何もなかった。
 63分にカピシャーバが強烈なミドルを打って京都ゴールを脅かしたが、所詮は単発である。徐々にサンガの圧を受ける時間が長くなり、打開のために小菊監督は清武を投入。
 同じタイミングでカピシャーバを下げて為田もポッチへ入ったが、これはカピシャーバが怪我明けであるということと、イエローカードを1枚貰っているからだろう。
 その為田は後半アディショナルタイムの94分に左サイドを駆け上がるカウンターを見せたが、タッチが大きなったところを奪われ、好機を活かせず。ベンチスタートである必然性を感じさせる、雑なドリブルだった。

 結局このまま得点は生まれず、1-1のドローで試合は終了。
 セレッソは最下位チーム相手に勝ち点1という結果だが、90分を通して相手を圧倒していた訳でもなく、何度も作った決定機を決めきれなかったという内容でもなかった。ドローが妥当なゲームだった。
 それともう1つ気になったのは、ほぼ全員例外なく、クロスの精度が低いことだ。今日の試合の中で、水準以上のクオリティのクロスは、ほとんどなかったと思う。
 キックは個人練習の賜物だ。果たしてどれだけの選手が、自分に厳しく日々の練習をしているのだろうか。

 いずれにしてもこれでリーグ戦直近9試合のうち、勝利したのはわずかに1試合。ちなみにその9試合の中で、複数得点したゲームは2試合、無失点ゲームは1試合しかない。
 リーグトップのスコアラーがいるにも関わらず得点は少なく、失点は少なくない。乾いた笑いしか出てこない不甲斐なさだ。
 口では優勝を目指すと言いながら、すでにベテラン年齢であるSB登里がいない場合の想定を、開幕前から何も行なってこなかったのだろうか。
 最近の試合は、ここ3年のあいだ嫌というほど見せられた、形も再現性もないフットボールである。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 6.0
失点シーンは、一度止めただけに余計に悔しいかもしれないが、彼に非はない。概ね悪くないパフォーマンスだった。

DF
毎熊 晟矢 5.5
何度も良いランニングを見せたが、結果には結びつかず。ただし前節よりは、調子が戻ってきたように感じる。

鳥海 晃司 4.5
持ち場を離れるプレーが裏目に出て、イージーなミスも散見。今季、何度も指摘しているが、一昨年の不安定な彼に戻ってしまっていて、これでは勝てる試合も勝てない。

西尾 隆矢 5.5
本文で触れた失点時のオフサイドアピールは残念だが、それ以外は印象の良いプレーが多かったように思う。

舩木 翔 5.0
やはりサイドバックとしては前への推進力が致命的に足りない。そのため90分の間にクロスを上げる機会もほとんどない。早く彼にはCBに戻って欲しいと願うばかりだ。

MF
田中 駿汰 5.5
2ボランチでもアンカー的な働きが多く、結果として攻撃に厚みが足りない状況である。彼の責任ではないが。

奥埜 博亮 6.0
ビルドアップの繋ぎ役として絶大な貢献。彼がフル出場しないといけないのが、今のセレッソの弱点でもある。

ヴィトール・ブエノ 6.0 (75分 OUT)
相変わらずの諸刃の剣。先制シーンで自らのエゴを捨てて得点の可能性が高まるパスを選択したのは手放しで賞賛するが、それ以外での運動量の少なさ、ネガトラの遅さは、チームへの負担も大きい。どうにも使い途が難しい選手だ。

ルーカス・フェルナンデス 5.5 (89分 OUT)
先制シーンでは起点になり、意表をついたヒールパス。そのほかのシーンでも献身的なプレーが多かった。

カピシャーバ 6.0 (75分 OUT)
やはり前への推進力は別格。彼の復帰は心から喜ばしい。

FW
レオ・セアラ 7.0 (89分 OUT)
単身でボールを収め、常に前線で起点に。サンガは相当、彼に手こずっていた。多くないチャンスをモノにする決定力はお見事。

交代出場
清武 弘嗣 5,5 (75分 IN)
短い時間で何度もボールに絡み、さすがのプレーを見せるも、最後のところで精度や味方との連携が足らなかった。

為田 大貴 4.5 (75分 IN)
残念ながら選手交代で相手への脅威が減る典型例だった。

上門 知樹  (89分 IN)
出場時間が短く採点なし。

山田 寛人 ー (89分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 4.0
最下位チーム相手に特に何も形を見せられず、行き当たりばったりのフットボール。このままギリギリ一桁台でシーズンをフィニッシュし、来季も続投なんてことになると、もう本当に心が折れるな。


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