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【セレッソ】 vs 北海道コンサドーレ札幌(2024年J1リーグ第11節)

 今日のセレッソ大阪は、ホームで北海道コンサドーレ札幌と対戦。
 スタメンは、下記公式Xの通り。前節、負傷交代したFWカピシャーバに代わってクルークスが左ウイング、そしてMF香川がベンチスタートで柴山がIHに入っている。

 ゲームは、3試合連続で先制を許すも、後半に追いついて1-1のドローで終わっている。

C大阪 1-1 コンサドーレ札幌

 順位だけでいえば、首位と最下位の対戦だった。しかし90分を通して、そのような差は見当たらず、互いに精度の低いプレーに助けられたゲームだったといえる。

 セレッソの好機としては前半13分、コンサドーレのビルドアップの場面でハイプレスからボールを奪い、SB毎熊がワンタッチでバイタル付近の柴山へパス。
 柴山もこれをワンタッチでボックス内へ落としたが、走り込んだFWレオ・セアラには合わず、コンサドーレGK菅野がキャッチ。
 柴山のラストパスの質がもう少し高ければ、先制もありえたチャンスだった。

 17分の札幌陣内でのスローインから始まったシーンでは、最後にポケットに入ったMF田中がマイナス方向へのパス。
 これがFWレオ・セアラに渡ったが角度もなく、コンサドーレGK菅野に詰められて得点ならず。

 さらに19分にも札幌陣内でボールを奪い、レオ・セアラを追い抜いて柴山がPA内へ走り込んだが、スルーパスが短く、無理にシュートを放つもボールに力はなくファーサイドへ。
 しかもゴール前に誰も詰めておらず、チャンスを活かせない。

 そして26分、ビルドアップも何もないところからロングボールを入れられ、最後はMF浅野雄也に流し込まれて失点。3試合連続で先制を許す展開となった。

 この直後の28分にも、クロスに対してゴール目の前から札幌FW鈴木武蔵にヘディングシュートを打たれたが、このシーンはポストに助けられている。

 前半はこのまま1点ビハインドで折り返し。
 そして後半に入っても、セレッソのチグハグな印象は変わらず。
 溜まりかねたか小菊監督も58分、一挙に3人交代。クルークス、奧埜、柴山に代えて、為田、北野、香川をピッチへ。
 ここからは香川が巧みにビルドアップの中継点を兼ねることでセレッソは攻撃の時間が増え、ゴールの期待値も上がった。

 そして60分に最大の決定機。
 低い位置でボールを奪ってのロングカウンターの場面。後ろからのロングボールをFWレオ・セアラが収めて味方の上がりを待ち、北野を経由して右側を駆け上がってきた毎熊へパス。
 毎熊がPA内から中央へグラウンダーのクロスを送り、ゴール正面に走り込んだルーカス・フェルナンデスが押し込むだけだったが、これが足にヒットせず、無情にもボールは枠の外へ。
 正直、プロにこれを外されると。。と思ってしまう、もったいないチャンスだった。

 しかしその数分後、ルーカス・フェルナンデスが札幌PA内で倒され、PKをゲット。
 キッカーはもちろんレオ・セアラ。前節「生まれて初めて」PKを外したレオ・セアラだったが、今日はきっちり決めて、ゲームは振り出しに。
 レオ・セアラはこれで、6試合連続ゴールとなった。

 追いついた勢いで勝ち点3を目指すセレッソ。
 しかし札幌ペトロヴィッチ監督も勝ち点1で御の字という指導者ではないので、80分の長谷川竜也を皮切りに、終盤にもキム・ゴンヒや小林祐希といった攻撃的な選手を投入。
 セレッソも89分にルーカス・フェルナンデスにを下げて山田寛人を送り出したが、そのまま両チームとも得点は奪えず、1-1のドローで試合終了。

 始めから最後まで、どちらのチームもしっくりこない内容だったと思う。
 シュートすべきときにパスを選択し、パスを出すべきときにシュートを打つ。パスがズレる。タッチが大きなる。こうしたことが90分の間に何度も観られた。
 ただ、まだコンサドーレの方がやりたいことが出来ていたと思う。鈴木武蔵をターゲットマンに定め、ハイラインとロングキックを多用し、中央が無理ならまずは登里のいるサイドを狙う。
 先制点も、GK菅野のミドルレンジのキックからだった。やるべきことは徹底されていた。
 対してセレッソは、カピシャーバが不在でもいつも通りのフットボールだった。
 そもそも今季のセレッソは、前線3人をビルドアップの要員に組み入れてない。主にボールを運ぶのは、中盤3人とSB2人だ。ビルドアップが困難なシーンでは、ロングボールで前線へ送るだけ。
 特に左サイドはカピシャーバのキープ力と突破力に大いに依存している。
 残念ながら今日のクルークスは、不慣れなポジションとはいえカピシャーバの代役にはならなかった。ただそれならそれで、違うフットボールを採用すべきだったという考えもある。

 今季のセレッソは田中駿太、登里享平、ルーカス・フェルナンデスというタレントを得て、良くいえばその中で最良のシステムを構築して結果を残してきた。替えの利かない選手たちが離脱した際を危惧する声は、開幕直後から聞かれていたことだ。
 今がまさに今季セレッソの正念場だろう。
 直近3試合勝ちなし、3試合すべてで先制され、3試合での勝ち点はわずか2。
 ま、そのままシーズン終了まで上手くいくなんて、誰だって思ってなかったよね。これでこそ我らがセレッソ。3歩進めば2歩下がるのだ。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 5.5
彼のポテンシャルからすると、可もなく不可もなくといったところか。回数は多くなかったがハイボールの処理は安定していた。

DF
毎熊 晟矢 5.5
後半、ルーカス・フェルナンデスが外した大決定機は、本来ならアシスト1だろう。前半16分には機を見てドリブルで持ち上がるなど、効果的なプレーが少なくなかった。

鳥海 晃司 4.5
前節に続いて集中力を欠いたプレーが少なからずあったと思う。一時期の安定感がなくなり、少し心配だ。

舩木 翔 5.5
U-23の代表戦で西尾もジャスティン・ハブナーもチームを離れている中、懸命にセンターバックを務めてくれている。彼のロングフィードは相手も警戒しており、それだけでもチームに貢献しているといえる。

登里 享平 5.0
彼が現セレッソのキーマンのひとりであることを評価外とすると、やや物足りなかったというのが率直なところ。48分、左サイドのクルークスからのクロスに頭で合わせたシーンは、枠に飛ばしたかった。

MF
田中 駿汰 5.0
アンカー脇のスペースを消すために走り続けたからか、終盤はプレー精度が下がってしまった。

奥埜 博亮 5.0 (58分 OUT)
個人的に最も深刻に考えているのは、彼が昨年までのパフォーマンスを維持できていないことだ。彼が昨季まで、あらゆる局面でチームを支えてきたことはサポーター誰もが認めることだと思うが、その土台が少しずつ脆くなっているのが、今のセレッソである。

柴山 昌也 5.0 (58分 OUT)
今日の試合の象徴と言えなくもない。選択肢もプレー精度も、何となくチグハグだった。

FW
ジョルディ・クルークス 4.5 (58分 OUT)
たった1回の実戦ですべてを判断すべきではないが、今日の彼は賞賛できるパフォーマンスではなかった。不慣れなポジションであることはともなく、トラップミスやタッチが大きくなるといったプレーは残念。戻りの速さは良かったが。

ルーカス・フェルナンデス 5.5
良いプレーがほとんどだったが、本文で述べた毎熊からの決定機逸は、言い訳のしようもないだろう。ただその後のPKゲットで帳消しか。

レオ・セアラ 6.0
前線で身体を張ってボールを収め続け、6試合連続となるゴール。64分のシーンなど、他にも得点チャンスはあったので、出来ればもう1つ決めて欲しかったが。

交代出場
北野 颯太 4.5 (58分 IN)
攻撃時にボールを捌いたくらいで、特に印象的なプレーはなかった。

香川 真司 5.5 (58分 IN)
やはり存在感は抜群。よくボールに絡み、攻撃を牽引した。

為田 大貴 5.0 (58分 IN)
少なくとも今日のクルークスに比べれば、彼の方が相手にとって脅威だったと思う。良いタイミングでPA内に侵入した場面もあったが、ボールは来なかった。

山田 寛人 ー (89分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 5.0
やはり先制されると勝てないのか。ドローには持ち込めているので、昨季よりチームは底上げされているが、開幕時に比べると中央での密集力が低下しているのが気に掛かる。最下位チーム相手にホームでドローは、負けに等しい。


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