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【セレッソ】 vs 浦和レッズ(2024年J1リーグ第18節)

 今日のセレッソ大阪は、ホームで浦和レッズと対戦。
 スタメンは下記公式Xの通り。前節からは、欧州への移籍がほぼ決まったSB毎熊に代わって、奥田が入った顔ぶれとなっている。

 ゲームは、セレッソがセットプレーから2点先取し、その後に1点を返されるも、2-1で逃げ切りに成功している。

C大阪 2-1 浦和レッズ

 立ち上がりは、比較的セレッソがボールを持つ展開で、ボール非保持のシーンではハイライン/ハイプレス。
 しかし10分を過ぎた辺りからはレッズに押し込まれる時間帯が多くなり、11分にはボックス内に侵入されてのシュートを許している。ただその後も何本かシュートを打たれるも、ほとんどが枠外に終わっていた。

 18分のセレッソのコーナーキックでは、ファーサイドでFWレオ・セアラが頭で合わせたが、ボールはわずかに枠の外。
 26分のフリーキックの場面では、直接ヴィトール・ブエノがゴールを狙うも、大きくバーの上。

 しかし前半終了間際に、セレッソが先制。
 41分に、カピシャーバがレッズ陣内で後ろから倒され、フリーキックを獲得。必然性の薄いファールであり、浦和は割と安易に自陣でファールを犯すなぁと感じたシーンだったが、これをルーカス・フェルナンデスが直接ゴールへ沈める先制弾。
 距離があったので誰かに合わせて蹴ってくると予想するレッズの裏をかいた、美しい弾道のキックだった。

 今のセレッソはセットプレーくらいしか得点の匂いがせず、そんなチーム相手に簡単に自陣でフリーキックを与えた浦和の、自滅に近い先制ゴールだったともいえる。他チームのことながら、レッズのスカウティングはどうなっているのかと首を傾げたくなった。
 いずれにしても前半はこのまま、1-0で折り返し。

 そして後半。スタートからヴィトール・ブエノに代えて、上門を投入。リードしている状況を考えると、運動量の少ないブエノを下げるのは納得のいく判断である。

 後半はじめのチャンスは47分だった。レオ・セアラのサイド突破からボックス内まで侵入し、最後は自らシュート。ただしここは角度がなく、浦和GK西川にパンチングで弾かれる。
 しかしこれで得たコーナーキックから、セレッソが追加点。
 ルーカス・フェルナンデスの蹴ったボールはニアで跳ね返されるも、これをダイレクトでSB奥田がシュートを放ち、ゴール左隅をつくゴラッソとなった。 

 奥田のシュートフォームを見る限り、正面へ蹴ったつもりが左へ曲がる弾道となり、運よく入ったものだと思われるが、いずれにしてもこれが決勝点となる値千金のゴールだった。

 勢いづいたセレッソは、その後も浦和ゴールに迫る。
 50分のロングカウンターの場面では、ボックス内に走り込んだルーカス・フェルナンデスにボールが渡る好機。しかしシュートは枠を捉えられず、ルーカスの2点目ならず。
 56分には、フリーキックのボールにCB西尾が頭で合わせるも、これもわずかに枠の外。ここはほぼフリーだったので決めて欲しかったし、ここで3-0と突き放しておけば、かなり楽に試合を運べたはずである。

 この後は主にレッズのペースとなり、セレッソはセカンドボールも拾えず苦しい展開。
 そして76分に失点。セレッソの左サイドからシンプルにクロスを入れられ、PA内にいるたった1人の相手チーム選手にどフリーでヘディングシュートを打たれての失点だった。

 SB奥田は、なぜ目の前のFWブライアン・リンセンに付かないのか、なぜ絞らずフリーにさせたのか。J1初ゴールの価値を自ら下げる、お粗末な対応だったと言わざるを得ない。

 それ以降も浦和の攻撃を受ける時間帯が多く、堪らず81分にカピシャーバとルーカス・フェルナンデスを下げて、為田と柴山を投入。
 それでも流れは変わらず、さらに88分にレオ・セアラと奧埜に代えて山下と平野が入り、5バックでの逃げ切りに舵きり。
 これで何とかレッズの圧を交わし、2-1で試合終了。セレッソは久しぶりのホームでの勝利となった。

 ただし内容的には到底、喜べるものではなかった。セレッソのビルドアップは後ろでボールを回すだけでプレスを掻い潜れず、最後はロングボールを前線へ入れるというパターンがほとんどだった。
 セレッソは「個で頑張る」というだけでチームプレーに乏しく、攻撃における厚みもなかった。
 今日の2得点もいずれもセットプレーからの個人技と運によるものだ。チームが連携してのゴールではない。
 勝てたのは、浦和レッズがセレッソと同じようにグダグダだったからだろう。チームとしての形は浦和の方が上だったが、大きな差はなく、個の力で1点だけセレッソが上回っただけのことだ。
 上位に食い込めないチーム同士の戦いに相応しい90分だったといえる。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 5.5
相手の枠内シュートも少なかったので、活躍の場面も大きなミスもなかったが、ロングフィードの精度は低かった。ただし失点シーンはノーチャンス。

DF
奥田 勇斗 6.5
失点シーンは猛省してほしいが、彼の右足がチームを勝利に導いた。他の場面でも良い動きが目立ち、毎熊の海外移籍後のセレッソを担うSBであることは間違いない。というか、彼がいてくれて本当に良かった。

鳥海 晃司 5.5
ラインの上げ下げがやや彼だけ遅れ気味に感じたのが気になる。

西尾 隆矢 5.5
本文で触れたフリーキックの場面でのヘディングシュートは、決めて欲しかった。

舩木 翔 5.5
やはり前への推進力が足りないが、少しずつ安定感は増してきている。

MF
田中 駿汰 6.0
良い位置どりが目立ち、やはり奧埜が側にいるとやりやすそうだ。

奥埜 博亮 6.0
いつも通り気の利いたポジショニングで、チームを助けた。

ヴィトール・ブエノ 4.0 (HT OUT)
Jリーグのプレーヤーとしては驚くほど守備への切り替えが遅く、その割にカウンター時の起点にはなれず、ボールも収まらず、相手陣内のバイタルでパスを受けてもすぐロスト。26分のフリーキックは宇宙開発。良いプレーを見つけるのが難しい。

ルーカス・フェルナンデス 7.0 (81分 OUT)
いつも通り攻守に献身的で、サイドでも相手の脅威に。何より美しく知的な直接フリーキック。今節のMOMは彼だろう。

カピシャーバ 6.0 (81分 OUT)
得点もアシストもなかったが、常にサイドで存在感を示し続けた。

FW
レオ・セアラ 5.5 (88分 OUT)
身体を張って前線でボールを収め、得点チャンスもあったが、結果は残せず。

交代出場
上門 知樹 5.5 (HT IN)
1点リードで迎えた後半スタートからの投入を意味を、十分に理解したプレーに徹していた。

為田 大貴  (81分 IN)
出場時間が短く採点なし。

柴山 昌也  (81分 IN)
出場時間が短く採点なし。

山下 達也  (88分 IN)
出場時間が短く採点なし。

平野 佑一 ー (88分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 5.0
勝利はしたものの、内容的には寂しいもので、上位チームには到底立ち向かえないだろうという感想しかない。ヴィトール・ブエノをさっさとハーフタイムで下げたことだけは評価できる。


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