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【セレッソ】 vs 鹿島アントラーズ(2023年J1リーグ第27節)

 今日のセレッソ大阪は、長年かなり苦手としている鹿島アントラーズとアウェイで対戦。
 スタメンは下記公式X(旧:Twitter)の通り。A代表デビューを飾ったSB毎熊が、帰国後早々スタメンに名を連ねている。

 試合は、はっきり言って数年に一度というレベルの、ストレスの溜まる内容。前半早い時間帯に下らないミスから失点し、その後すぐアントラーズに退場者が出て数的有利になったにもかかわらず、そのまま前半も後半も得点を奪えず、0-1で終了。
 お粗末という言葉では到底足りない稚拙な試合運びだった。

鹿島アントラーズ 1-0 C大阪

 失点は前半12分。自陣でCB進藤からパスを受けたMF喜田が、背後から迫ってきた鹿島FW鈴木優磨に気づかずにボールを掻っ攫われ、そのままゴールに沈められるという安っぽい失点だった。

 前節でもこのブログで触れた通り、喜田はボールの奪い所として相手チームに狙われており、実際に彼が今日のようにボールを失うのは、もう何度も観ている光景だ。ボランチとしては致命的である。
 またパスを出したCB進藤も、後ろから相手が来ていると、声をかけて欲しかった。
 いずれにしてもこの安直に与えた1点が、最後まで重くのしかかって、結局は決勝点となるのである。

 そして次のトピックは、その10分後。ボールを持ったMF喜田に対し、鹿島MFディエゴ・ピトゥカがアフターで足裏からアタックしてしまい、VARも介入して一発退場。
 確かにリプレイでは、喜田の脛がぐにゃりと曲がっているように見えるので、相当に危険なプレーではあったと思う。故意ではないだろうが、敵味方関係なく、レッドカードは妥当な判断だろう。喜田に怪我がなくて良かった。
 なおこのプレーに不服なのか、はたまた早くも時間稼ぎを目的としたのか、アントラーズのベンチが執拗に抗議を続け、岩政監督にイエロー、さらに通訳のスタッフにレッドカードが提示されている。あとから振り返ってみると、どうでもいい小芝居だったと思うだけだが。

 もうここからは試合に触れたくもないのが率直なところ。ここから試合が終わるまでの約70分間、ひたすらアントラーズは鹿島る。
 ボールがラインを割るたびに、いちいち時間をかける。少しでも接触があれば、大げさに倒れ込んで時間を稼ぐ。
 このブログでも何度か明言しているように、個人的には「マリーシア」とかはサッカーの悪しき習慣だと思っているので、今日は本当にストレスが溜まった。100%負け惜しみになってしまうが、あれをフットボールだとは呼びたくない。ピトゥカが退場してからの約70分は、違うスポーツを観ているというか、サッカーチームではない何かと戦っているようだった。
 ま、何を言ってもそんな相手から1点さえ奪えないチームが情けないことに変わりはない。あれで逃げ切って勝ち点3を手にできるのだから、あんなサッカーを志してしまうのだろう。

 とにかくもうこと後のことは、触れたくもない。アントラーズは定石通り4-4-2から4-4-1にシステム変更し、縦にも横にもコンパクトな陣形を保つようになった。これが最後まで崩せない。
 セレッソとしては中央を固められるので、サイドにボールを預ける。ところが鹿島はサイドにボールが渡ると全速力で詰めてくる。まだMFカピシャーバは突破力があるので一定の間合いをとっていたが、クルークスに対してはびっちり寄せていた。クルークスにはボールを中に入れさせなければOKという判断だろう。
 恐らくアントラーズは試合終盤でリードしていたなら、この守備をするつもりで準備していたのだと思う。退場者が出たので、大幅に切り替えを早めただけだ。その判断の早さと迷いの無さは、さすがに試合巧者だと言わざるを得ない。変な色気を出さないところが徹底されている。

 そしてセレッソのサイドに対し超特急でアントラーズのSBが寄せるので、それに従って残りのDF(CB二人と逆SB)も素早くスライドする。当然セレッソの逆サイドはフリーになるが、そこへボールを渡すのに、各駅停車でCBやSBを経由するので、アントラーズとしても同じようにスライドするだけで対応できる。
 概ねこの繰り返しだった。鹿島の優秀なスカウティングによって、たぶん我軍は丸裸にされているのだろう。

 それでもさすがにセレッソがボールを持つ時間が多いので、何度か得点のチャンスはあった。
 特に68分のシーンは、ボックス内へ走り込んだSB毎熊へMF香川から絶妙な浮き球のパスが渡り、毎熊はダイレクトボレーで中へ。ゴール前にいた途中出場の渡邉りょうもダイレクトでボレーシュート。残念ながら枠には飛ばなかったが、決まっていればスーパーゴールだった。
 73分には、PA内に侵入したSB舩木からのクロスに、FWレオ・セアラが頭で合わせたが、これも枠外。いつものレオ・セアラなら決めていたはずの、今節最大の決定機だった。
 さらに86分にも、左サイドからSH新井の入れたクロスに対し、ボール前でレオ・セアラがシュートを放つも相手がブロック、さらにこぼれ球をFW北野が狙ったが相手にクリアーされ、ここでも得点は奪えず。

 こうして時間だけが進み、無情にもタイムアップ。
 引いた相手から点を獲れないのは、何度も指摘していることだが現セレッソの課題だ。ただ他にもそうしたチームは少なくないし、そもそもアントラーズの守りは統制と意思疎通のとれた質の高いものだった。
 そしてイライラして平静を失い、いつになく味方同士でパスの意図が噛み合わなかったセレッソは、王者にはまだ遠いという現実を突きつけられた一戦だった。


 あと、鈴木優磨の働きは素晴らしかったなー。ポジショニングが抜群で、加えて的確なプレーの判断と献身性。そしてずる賢さによるチームへの貢献。
 人によって好き嫌いは分かれるだろうが、間違いなく現Jリーガーでは最高レベルの選手だと再確認させられた。

選手採点(セレッソのみ)

GK
ヤン・ハンビン 5.0
ロングフィードの精度は今ひとつだった。失点シーンは仕方ないが、あれを外さない決定力がアントラーズだろう。

DF
毎熊 晟矢 5.5
日本代表戦から帰国後すぐの強行軍だったが、あまり疲れは見られず。チームを救うことはできなかったが、存在感は随一だった。

進藤 亮佑 4.5 (84分 OUT)
失点の責任は、少なからず彼にもあると思う。果たして喜田に対して注意喚起の声掛けしたのだろうか。

鳥海 晃司 5.0
相手が一人少なくなったことで、それほど重要な見せ場はなかった。

舩木 翔 4.5
逆サイドの毎熊と比べると、圧倒的にボールにからむ回数が少ない。引いた相手に対し、ほとんどチャンスメイクも出来なかった。

MF
ジョルディ・クルークス 5.0 (62分 OUT)
相手の素早い寄せで封殺されてしまった。イエローを貰っている逆サイドのカピシャーバではなく自分が交代を告げられた事実を受け止め、さらなる精進を期待したい。

香川 真司 5.0
今日の展開では、セットプレーか彼のファンタジックな崩しに期待をかけたが、いずれも不発。いつになくイージーなパスミスも目立ち、チームを勝利には導けず。

喜田 陽 4.0 (80分 OUT)
何度目かの致命的なボールロストからの失点。根本的にボランチには適さないとも思えるが、そうなると使いどころがないという結論にもなる。彼を80分まで引っ張った小菊監督の意図も、よく分からない。

カピシャーバ 5.5
なんだかんだ言っても、今のセレッソで最も相手に脅威を与えているのは彼だろう。他の部分が目立つので忘れがちだが、当たりの強さと簡単に倒れない強靭性も凄い。どれだけ警戒されても、1試合に2〜3回は必ず突破してボールを供給してくれる。

FW
レオ・セアラ 4.5
何度かあった好機を決められず。特に本文で触れた73分のヘディングのシーンは、彼にとっては難しいとも思えなかったが。

上門 知樹 4.5 (62分 OUT)
まともにボールに絡めず、存在感を失ったまま交代を告げられた。

交代出場
渡邉 りょう 5.0 (62分IN)
惜しいシーンはあったが、結果が残せず。

北野 颯太 4.5 (62分IN)
ほとんど消えたまま試合終了。

新井 晴樹 ー (80分IN)
出場時間が短く採点なし。

マテイ・ヨニッチ ー (84分IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 4.0
引いた相手に対する引き出しが、いつまで経っても補充されないが、どうなっているのか。アントラーズ相手とはいえ、およそ70分間ひとり多い状態でプレーしながら1点も奪えないというのは、いくらなんでも無策なのでは。


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