【スピーカー】TANNOY 3LZ Monitor Gold

　前回、半年ほど前にプリアンプを購入した話を投稿したが、実はスピーカーも先々月に買い替えている。Twitter ではご報告していたが、初めてのタンノイで ｢IIILZ Monitor Gold｣（LSU/HF/3LZG/8U）というスピーカーである。
　今回も遅ればせながら、このことについて簡単に書き記そうと思う。

買い替えた経緯

　これまで使っていたのは、JBL｢L88 NOVA｣ というヴィンテージ・スピーカーだ。
　その前は同じJBLの「4319」というモデルで、これはなかなか気に入っていたが、古臭い音を求める身としては何となく現代的なサウンドに飽きが来て、ヴィンテージの ｢L88 NOVA｣ に買い替えた。
　これが昨年の11月の事。

　ところがこの ｢L88 NOVA｣ 。どうにも鳴らすのが難しい。
　モニタースピーカーではなくコンシューマー向けに60代後半に発売されたものなので、それほど難しいはずはないのだが、日によってかなり鳴りが変わる。
　我が家では率直なところ、10回に1回は素晴らしいサウンドを吐き出してくれるのだが、残りの9回はほどほどというか、日によっては眠たい音を出したりする。

　時に素晴らしい音を奏でてはくれるが、あまりに不安定なので、わずか半年ちょっとで買い替える決断を下したのである。

3LZ Monitor Gold を選んだ理由

　TANNOY ｢IIILZ Monitor Gold｣ を選んだのは、まずは銘記として知られるヴィンテージ・スピーカーだという理由が1つ。タンノイのハイエンド・モデルではない庶民向けとしては、かなり評価の高かったスピーカーだと思う。

　次に、JBL 以外のスピーカーを試したいという欲求があった。
　ふだん自宅で聴くのは、7割がジャズで、あとはロックとポップスである。さらにMcIntosh のセパレートアンプを使っているので、やはりJBL が妥当なところではあるだろう。
　ただ、あと数年後には少し大きめのJBLスピーカーを買う予定にしており、そうなると今みたいにコロコロと買い替える訳にも行かなくなるので、その前に一度JBL以外のモデルを聴きたいという欲望もあった。

　ちょうどそんな時に、たまたま Twitter 上で ｢IIILZ Monitor Gold｣ が甘美な音を鳴らしている動画に出くわした。
　どこかの中古ショップ（恐らくハードオフ）で鳴らされていた場面を1分程度、撮影した動画で、流れていた曲は知らないが、ジャズ系の女性ボーカルものだった。
　これがなかなか艶があって、良い意味で古臭い音だった。要するに好みのサウンドだったのである。

　という経緯を辿って ｢ⅢLZ Monitor Gold｣ を購入する運びとなった。30万円という安くはない金額だったので、それまで使っていた ｢L88 NOVA｣ は下取りに出した。

3LZ Monitor Gold レビュー

　さて、TANNOY ｢ⅢLZ Monitor Gold｣ が我が家に来てからすでに6週間が経過している。
　現時点での感想としては、期待が大きすぎたというのが、本音のところだ。

　まず、ボーカル主体の音楽については、かなり素晴らしい。ジャズ・ロック・ポピュラー音楽を問わず、ボーカルについてはかなり色っぽい音で鳴ってくれる。
　ここは期待通りだった。少なくとも ｢L88 NOVA｣ よりは遥かに勝っているし、｢JBL 4319｣ よりも上だと思う。

　不満があるのは、インストのジャズだ。ジャズについては、やはりJBLのほうが上である。
　｢L88 NOVA｣ もジャズは今ひとつだった。ただその前の ｢JBL 4319｣ は、コクがあってキレがあって熱さもある、まさにジャズを鳴らすに相応しい音だった。
　それと比べると ｢ⅢLZ Monitor Gold｣ のジャズは、悪くはないが大人しいという印象である。
　やはり「JBL + McIntosh」という組み合わせは、ジャズにとって定番になるべきコンビなのだろう。

　もっとも、これは予想していた事でもある。前述した通り、近い将来にはJBLに戻る予定なので、今は TANNOY を楽しもうと思う。TANNOY が得意とするクラシックは全く聴かないが、女性ボーカルの甘い響きは、なかなか魅力的だ。
　それに ｢L88 NOVA｣ → ｢3LZ Monitor Gold｣ の買い替えについては、何ら後悔はしていない。
　問題はその前の ｢JBL 4319｣ を手放してしまったのが正解だったかどうかだ。
　｢JBL 4319｣ と ｢3LZ Monitor Gold｣ と比べた場合、ジャズは前者が良かったが、ボーカルものは後者が好みだ。一長一短といったところか。

　ともかく現状では ｢3LZ Monitor Gold｣ が手元にあるのだから、精一杯このモデルを味わいたいと思っている。
　そしてこのスピーカーに合いそうな真空管アンプも、今のうちに一度、試してみようかなと、また悪い虫が騒いでいる今日このごろである。

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