書名 | 完全記憶探偵 |
著者 | デイヴィッド・バルダッチ |
発行年 | 2015年 |
タグ(ジャンル) | ミステリー |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
歩いて、見て、訊いて、思い出す──“忘れることができない”完全記憶能力を持つ私立探偵。
引用元:Gooleブックス
元刑事のデッカーは、妻子を殺され、犯人が見つからないまま警察を去るが1年後に起きた銃乱射事件とのつながりが見つかり、捜査することに……
あらゆる記憶をDVDを再生するように取り出せる男の、怒りと悲しみの事件簿。
読後の感想
アメフト試合中に生死に関わる大怪我を負ったことで、あらゆる記憶を忘れずに脳に収める体質になった主人公という設定と、表紙から伝わるSFチックな画が非常に損をしていると思うが、内容的には本格的な警察小説である。
かなりの分量だが、海外モノにありがちな必要以上にクドい表現は皆無で、どんどんストーリーが進む。そのスピード感は、翻訳者が端折っているのでは思えるほどだ。
そしてその探偵役の主人公が、身長も体重もかなりの大きい巨漢であるという点も、かなり珍しい設定である。
また往年の探偵小説のように、すべての謎が終章で一気に解決するという構成ではなく、地道な捜査によって早い段階から少しずつ事件が解明されいくだけに、読んでいて退屈する場面がほとんどない。退屈する暇がないと言っても良いだろう。
最初から最後まで、あまり意外性がないのが少し物足りなかったが、これだけの量をひたすら無駄を省いた内容で読ませるのだから、かなりの力作だと思う。続編も近いうちに読もうと思う。
完全記憶探偵/デイヴィッド・バルダッチ
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