今日のセレッソ大阪は、アウェイで横浜F・マリノスと対戦。
スタメンは下記公式X(旧:Twitter)の通り。前節の大阪ダービーと全く同じ顔ぶれである。
明治安田生命J1リーグ第32節
— セレッソ大阪オフィシャル (@crz_official) November 12, 2023
11/12 14:00 KICK OFF⚽️
横浜F・マリノス × #セレッソ大阪
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個人的にはマリノス相手では4-4-2じゃないとFWレオ・セアラが孤立すると考えていたが、小菊監督が選んだのはここ数節と変わらず4-3-3でのスタート。前節の成功体験もあるので、この判断も理解はできる。
ただし試合は、ほとんど歯が立たず、0-2で完敗。現在の両チームの実力の差が如実に現れた内容であった。
横浜FM 2-0 C大阪
マリノスは予想通り、試合開始直後からハイプレス。そしてセレッソはこれをかいくぐれず、少し高い位置を取ったSBにボールが渡っても、容易には前へ供給できず、GKやCBに戻すというシーンが何度も繰り返された。
まずこの時点で頭の中がお先真っ暗になった。この2週間の間に、ハイプレスへの対処法が仕込まれているようには到底、見えなかったからである。
一応セレッソのファーストシュートは、4分にあった。MFクルークスが少し遠目から放ったものだ。その後クルークスは7分にも、同じようにミドルシュートを打っているが、いずれも枠は捉えられていない。
ボックス内まで侵入する機会は、なかなか見られなかったのが実情である。
対するマリノスは、何度も好機を作った。
10分にはボックス内からのMF西村のシュートがクロスバー下部を叩き、13分にはFWエウベルにドリブルで持ち込まれ、シュートも許している。
32分にも、DF松原がPAライン上からクロスバー直撃となる左足シュートを放っている。
セレッソとしては、35分にようやく人数をかけてマリノスPA内まで迫った攻撃を見せたのが、前半で唯一、得点の匂いがした場面だった。
それ以外はほとんどマリノスがゲームを支配しており、失点は時間の問題だったといえる。
そして40分と45分に立て続けに失点。
1失点目は、ヤン・マテウスからのパスをボックス内でエウベルが折り返し、大外から走り込んだマテウス本人が、頭で押し込んだ先制ゴールだった。背後から来られたとはいえ、CBヨニッチにクリアーして欲しかったというのが本音のところだ。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) November 12, 2023
逆転連覇へ向け
勢いに乗る🙌
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勝ち点2差で神戸を追う2位マリノスが
41分、46分と立て続けに得点!
🏆明治安田生命J1第32節
🆚横浜FM×C大阪
📺 #DAZN LIVE配信 pic.twitter.com/LaC9ekW2zK
そして2失点目は、人数を掛けてマリノス陣内までボールを運ぶも、攻めあぐねて自陣のCB鳥海までボールを戻したのが起点となった。ここで鳥海の出した縦パスをカットされ、マリノスは素早くボールを前線へ。セレッソとしては2対3の数的不利を作られた形となり、最後はFWエウベルに沈められてしまった。
こうして2点ビハインドで前半は終了。先制されるとほぼ逆転の望みのない今季のセレッソとしては、王者マリノス相手に最も避けたい内容でハーフタイムに入る形となった。
それにしても、セレッソは2週間の間にどのようなマリノス対策を講じたのだろうか。少なくともDAZNでゲームを観ていた限りでは、選手たちが何か仕込まれているようには感じなかった。
今節に限らず、これは小菊セレッソの悪い特徴ともいえる。スカウティングが機能していないのである。
そして迎えた後半、セレッソはCBヨニッチに代えて進藤を投入。マリノスのスピードに遅れをとるヨニッチを下げ、あわよくば得点の期待も持てる進藤をピッチに送ったのだと思う。
そして後半開始直後は、マリノスがややプレスを緩めてきたこともあって、早々にセレッソはコーナーキック3本とフリーキック1本を獲得。しかしいずれも実らずに終わった。
この「セットプレーに期待できない」というのも小菊セレッソの特徴だろう。最後にCKから得点を奪ったのは、いつだったか思い出せない。
ただ50分のMFクルークスの蹴ったフリーキックの場面は、誰かが触れば1点という、実に惜しい場面ではあった。
その後は再び、マリノスがゲームを支配。58分には左からのクロスにPA内で待ち構えていたFWアンデルソン・ロペスが強烈なボレーシュートを放つも、GKキム・ジンヒョンが横っ飛びで弾くというシーンもあった。
そして62分にクルークスと舩木を下げて、奥埜と山中がピッチへ。配置も変えてややオープンな展開に持っていくも、得点は奪えず。
終盤、84分に上門→阪田、さらに89分に柴山→鈴木と交代カードを切るも流れは変えられず、まともなチャンスも創出できないまま、試合は終了。
セレッソとしてはほとんどやりたい事が出来ず、そもそも何がやりたかったのかさえ分からない、無慈悲なほど力の差を見せつけられる一戦となった。
さて最後に1つだけ。先日、小菊監督の来季の続投が正式にリリースされた。
当ブログでは小菊さんの手腕に懐疑的な意見を述べることが多く、出来れば監督の交代を望んでいた。ただ彼の経歴やコスパなど様々な点を考慮して、フロントが彼を続投させることは想像に難くなかったので、その意味ではショックは少ない。
ただ、彼の采配ではJ2降格はないものの、優勝もまた期待できないだろう。
今日の試合を観ればほとんどの人が、リーグ戦で優勝争いを演じるチームとそうでないチームの違いを、まざまざと感じたことだろう。硬い守備を保持しながら、それでいて攻撃にも人数を掛けて厚みを作るマリノスは、さすがの練度だった。
今日の敗戦は、分かってはいた事を嫌というほど突きつけられた90分であった。
それにしても、セレッソは直近6試合で得点はたったの1である。あまりにも貧素な得点力だ。
「守備的すぎる」という的外れな理由を挙げてロティーナを切ったのはどこのどいつやねんという、この3年間で何度も繰り返し去来する腹立たしさは、一体いつになったら払拭されるのか。
ま、来年はルヴァン杯もノックアウト方式に変更されるので、カップ戦でワンチャンを期待するしかないねー。
選手採点(セレッソのみ)
GK
キム・ジンヒョン 5.0
精度の高いフィードを見せ、ファインセーブもあったが、1失点目は出たのなら触って欲しかったというのが本音のところ。
DF
毎熊 晟矢 5.5
マリノスがプレスを緩めた後半は、攻撃で存在感を示したが、得点には遠かった。
ヨニッチ 4.0 (HT OUT)
1失点目に関与したが、それまでは強い守備力を見せていた。あのシーンだけ集中力を欠いたか。
鳥海 晃司 4.5
2失点目につながる縦パスは残念だった。他のシーンでは悪くないパフォーマンスだったと思うが。
舩木 翔 4.0 (62分 OUT)
大きなミスがあった訳ではないが、代わりに何も出来なかった。ボールを受けてもほとんどがバックパスを選択。カピシャーバとのサイドコンビも数試合目だが、相変わらず1列前の彼のプレスに連動できずに遅れて左サイドは停滞。攻撃ではほぼ出番なく、守備でも寄せの甘さとオフザボールの動き出しの少なさが悪目立ちした。
MF
ジョルディ・クルークス 5.0
シュートもクロスも精度を欠いた。ただ少々遠目からでもシュートを狙うのは今のセレッソに足りない要素の1つだと思うので、どんどん打てば良いと思う。出来れば枠内に。あと、本文でも触れたFKでのキックは良かった。
柴山 昌也 5.5 (89分 OUT)
前節、IHとしてフィットしたが、マリノス相手ではなかなか躍動は出来なかった。ただ悪くはなかったと思う。ボールを持ったときに相手に与える怖さはあった。
香川 真司 5.0
試合が終盤に近づくにつれ、徐々にパスやトラップの精度が低下していくのが、観ていて残念というか悲しかった。年齢的にもフル出場は厳しいのではないだろうか。
上門 知樹 5.0 (84分 OUT)
以前にも書いた記憶はあるが、予想以上に器用な選手である。個人的には第二の奥埜を目指すべきプレーヤーだと感じ始めている。
カピシャーバ 5.5
相手に警戒され、一時期の突破力はないものの、それでもマッチアップした敵プレーヤーに与える脅威はチーム随一だろう。クロスの精度がもう少し欲しい。
FW
レオ・セアラ 5.0
古巣相手の90分。前線で孤軍奮闘したものの、歩の悪い戦いだったことは否めず。チームとして違う彼の活かし方があったはずである。現在のセレッソは、あまりにも引き出しが少ない。
交代出場
進藤 亮佑 5.5 (HT IN)
少し無謀な持ち上がりも見られたが、それも彼の真骨頂だろう。求められたタスクはこなしたが、もう一段上が見たかった。
奥埜 博亮 5.0 (62分 IN)
怪我から復帰後は、以前のパフォーマンスには遠く及ばないプレーが続いているが、前節よりはファールの貰い方などに、復調の兆しが感じられた。
山中 亮輔 5.0 (62分 IN)
一撃必殺のクロスが期待されたが、結果は残せず。
阪田 澪哉 ー (84分 IN)
出場時間が短く採点なし。
鈴木 徳真 ー (89分 IN)
出場時間が短く採点なし。
監督
小菊 昭雄 4.5
とにかく最低限、攻撃パターンはもっと増やせないものか。残り2試合、我々が来季に期待の持てる内容と結果を期待したい。
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