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【セレッソ】 vs 名古屋グランパス(2022年J1リーグ第13節)

 今日のセレッソ大阪は、アウェイで名古屋グランパスと対戦。
 スタメンは下記公式Twitter の通り。セレッソは、怪我の影響でベンチ外となったMF原川に代わり、鈴木徳真をボランチに据えた布陣でスタートした。

名古屋グランパス 1-0 C大阪

 立ち上がりはセレッソが名古屋ゴールに迫る展開。前半3分には、グランパスPA手前左でMFパトリッキがファールを受けて、相手DF鈴木にイエローカード与え、悪くない位置からのフリーキックを獲得している。

 しかしその直後、セレッソはあっさりと失点。
 グランパスのスローインでボールを受けた名古屋FWマテウスに対し、寄せたセレッソMF鈴木が何も出来ず簡単にかわされ、裏にスルーパスを通される。
 これに反応したのがグランパスMF仙頭で、ワンタッチでボールを置いて右足のシュート。
 コースは甘かったが、ボールはGKキム・ジンヒョンの脇を抜け、ゴールとなった。
 ジンヒョンなら止めて欲しいシュートではあったが、何よりMF鈴木の軽いディフェンスが酷かった。ハーフタイムでベンチに下げられるまで続く、彼のデュエル連敗の始まりだった。
 そして結局はこの1点が、最後まで重くのしかかることになる。

 

 とはいえセレッソとしては、まだまだ逆転の可能性が十分ある時間帯。当然ながら名古屋ゴールを目指し、何度かのチャンスは作った。
 特に28分の、左右に揺さぶったあとにMF清武がボレーシュートを放ったシーンは、決定機とは言えないが惜しかったと思う。
 ただ今日のセレッソは、1対1で負けることが多かった。MF鈴木を筆頭に、とにかく球際が弱い。せっかくボールを奪っても途中で簡単に奪い返され、そのたびにチーム全体が無駄な上下運動を余儀なくされていた。
 こういう状況の繰り返しは、肉体的な疲労だけでなく、味方へのストレスにもつながるだろう。
 次第に、奪われた後に奪い返す気持ちも薄れていったように見えた。(ファーストディフェンダーとしてのワークをサボるのは、柿谷や杉本健勇たちから続くセレッソの悪しき伝統だが。。)

 その結果、32分にはサイドから崩されて、FWマテウスにネットを揺らされたが、ここは間一髪オフサイドの判定となってノーゴール。
 ちなみにマテウスは、後半に入った64分にもゴールを決めたかに思えたが、そこもオフサイド判定で無効となっている。

 0-1で折り返した後半は頭から、セレッソはMF鈴木とFW山田を下げ、FW北野とアダム・タガートを投入。前半の内容からしても、当然といえる判断だ。
 そして玉突きで、MF清武がボランチの位置へ。彼を下げるのは勿体ないから鈴木が中盤底を託されたのろうが、残念ながら監督の期待には添えなかったを言わざるを得ない。

 清武は清武で、ボランチとしても抜群のポジショニングがとれる。ボールを狩れる能力が高いとは思わないが、MF奥埜と絶妙な距離感を保てるので、何も破綻はなかった。後半の奥埜を観ていると、いかに彼が前半やりにくかったかが垣間見えた。

 そして後半が始まってすぐ、この試合で一番の決定機が訪れる。
 キム・ジンヒョンからのグラウンダーのゴールキックを、センターサークルで受けた北野が素早く左サイドを駆け上がるパトリッキへパス。そして同時に中央を猛然と名古屋ゴールへ向かって爆走するアダム・タガート。
 パトリッキは判断良く中へクロスを入れ、アダム・タガートも良いタイミングでゴール前へ走り込んだが、1つ手前でギリギリGKランゲラックがボールに触れた事で軌道がズレ、アダム・タガートは空振りに終わってしまった。
 ただしこのシーン、GKキム・ジンヒョン→北野→パトリッキ→タガートと、電光石火の速攻で完成度は高く、「球離れが良い」ということが攻撃において重要な意味をもつことを証明している。
 次節以降、セレッソと対戦するチームはスカウティングで今日のこのシーンを観て、きちんと手を打ってくるだろう。それだけに今日、決めたかった攻撃パターンである。

 終わってみれば、今日のセレッソで最も得点に近かったのは、このシーンだった。他にも好機は作ったが決定機と呼べるものは少なく、90分を通してコーナーキックは幾度も獲得したが、何も得点の匂いはしなかった。
 それにしてもこのコーナーキックの期待感の薄さは異常だ。不思議なほどファーサイドに固まり、誰もニアで触ろうとしない。お陰でほとんどのセットプレーで、相手が先にボールに触っている。
 途中、DAZN実況者がセットプレーはセレッソの得意な得点パターンというような事を言っていたと思うが、ずいぶんとテキトーな事を言うもんだと感心してしまった。


 ともかくセレッソは効果的な攻撃が少なく、ズルズルと時間が過ぎて、0-1で試合は終了。先々週の鹿島アントラーズ戦のように、終盤に追加点を入れられなかっただけマシである。
 攻守の切り替えの速さでもデュエルでも気持ちでも、すべてが負け越していた。今季、負けるべくして負けたゲームは、何試合目だろうか。
 これで残留争いに巻き込まれていないのが不思議である。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 4.5
前節の脳震盪診断による交代で今節の出場は無理かと思っていたが、鉄人ぶりを発揮してスタメン。しかし手放しで喜べるパフォーマンスではなく、フィードの精度もリスタートの判断も、今ひとつなシーンが多かった。

DF
松田 陸 4.5
何年も指摘し続けているが、今節もクロスの精度が低い。とにかく味方が先に触れるボールを供給して欲しい。ちなみに今日の失点のスタートとなったグランパスのスローインは、彼のサイドチェンジのパスが大きすぎて、タッチラインを割ったことで与えたものだ。

西尾 隆矢 5.5
90分を通して、安定した守備力を発揮していた。

マテイ・ヨニッチ 5.5
西尾同様、ディフェンスに問題はなく、ボールを持ち上がって好機を演出する場面もあった。

山中 亮輔 4.5
頼みの左脚はクロスの精度を欠き、ディフェンスも軽く、丸橋との入れ替わりが当面は続くだろうと思わざるを得ない出来栄え。

MF
毎熊 晟矢 4.5 (71分OUT)
前節の2得点が吹き飛んでしまった精彩を欠いたパフォーマンス。ボールを失った直後に奪い返しに行かない姿勢は、すでにセレッソの悪習慣に染まってしまったのか。

奥埜 博亮 5.5
前半はかなり広範囲をカバーすることとなり、相当な負担を強いられていたが、後半は相棒が清武になったことで、彼本来の動きが観られた。

鈴木 徳真 3.5 (46分OUT)
プレーに粘りがなく、ボールの狩りどころとして狙われ、まんまと奪われまくった。セレッソからリズムを奪い、相手に躍動感を与え、チームを苦境に陥らせた。恐らく本人が一番、反省して悔しい思いもしているとは思うが、残念ながら当分はスタメン起用はないだろう。

ジェアン・パトリッキ 5.5 (74分OUT)
前節に続いてのスタメン出場。乾がいない間、彼がいてくれて良かった。途中出場した時ほどのインパクトはないが、十分に相手の脅威になっていた。

FW
清武 弘嗣 5.5
フル出場で勝利を目指したが、チームを救うには至らず。ただ後半、グランパスは1点リードという状況で強いプレスには来なかったことを考慮しても、彼のボランチは及第点を軽く超えていた。

山田 寛人 4.0 (46分OUT)
ボールは収まらず、相手DF陣に与えるプレッシャーも非常に低かったと思う。たびたび降りてきて、味方とパス交換するだけのプレーだった。早くから彼を観てきた小菊監督には、不要な情を捨ててフェアーな選手起用を期待したい。

交代出場
アダム・タガート 5.0 (46分IN)
後半開始早々の決定機は決めたかった。ただ身体の動きは軽そうで、コンディションは本調子に戻ってきているのではないだろうか。もっともセレッソに来てから、ほとんど点を獲っていないが。

北野 颯太  5.5 (46分IN)
いつも言うように、彼は途中出場でピッチに入っても、とにかくボールやチャンスに絡む回数が多い。とても重要な才能だと思う。プレーに粘りもあって、どうかすくすくと成長して欲しい。

中原 輝 4.5 (71分IN)
途中出場の割に動きが重く、寄せも甘かった。何のためにピッチに入ってきたのか。

上門 知樹 4.5 (74分IN)
特に何が悪いということもないのだが、強いていえば状況を把握したポジショニングや球離れといった判断が、どうにもチグハグに感じる。

監督
小菊 昭雄 4.5
相変わらず、手を打たれると何も抗えなくなる引き出しの乏しさを露呈。このブログでは割と彼を批判的に言うことが多いが、もちろん本当は掌返しさせられることを望んでいる。しかし現時点では、残念ながら想定通りにシーズンを消化しているだけだ。

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