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【セレッソ】 vs サガン鳥栖(2022年J1リーグ第11節)

 

 今日のセレッソ大阪は、アウェイでサガン鳥栖と対戦。
 スタメンは、下記の公式Twitterの通り。左SBに丸橋、右SHに毎熊を配した布陣である。

サガン鳥栖 1-1 C大阪

 試合は 1-1 のドローで終わっているが、内容的にはサガン鳥栖のゲームだった。立ち上がりから鳥栖がボールを握り、セレッソは90分を通して、ほとんどやりたいことが出来ない試合だったと思う。

 サガン鳥栖はGK朴一圭が高い位置をとってビルドアップに加わるため、セレッソとしてはあまり無理に前線からのプレスは控えていた。ではその分、中盤が厚いかというとそうでもなく、ハーフポジションと縦パスを有効に使ってボールを進めてくるサガン鳥栖に対し、為す術なく受けていたといっても過言ではない有様。
 また鳥栖は、パスアンドゴーが徹底されていた。少年サッカーでも教える基本的なことだが、この遂行によって鳥栖のほうがピッチ内の人数が多いような状態が醸成され、セレッソはひたすら受けにまわっていたといえる。
 とにかくサガン鳥栖はメリハリがはっきりしていて、プレスを掛けるときは全員が連動して圧を掛けてくる。詰められたセレッソのボールホルダーはパスでつなぐビルドアップを諦めてロングボールを蹴り、これを鳥栖の選手に回収されるという場面が、今日の試合の中で何度も繰り返された。

 ところが鳥栖も、ゴールに至るまでのどこかで1本、パスがズレる。セレッソのディフェンスをジワリジワリと追い詰めていくのだが、肝心な場面で味方と合わないという勿体ないシーンがいくつかあった。
 パスがあっていれば、間違いなく鳥栖は複数得点を飾っていたはずだ。

 もちろんセレッソはそれ以前の問題である。
 攻撃は単発で、厚みと迫力が圧倒的に足りなかった。ボールを奪われてもファーストディフェンダーとしての役割を怠り、パスを貰う準備も怠り、パスを出したらプレーを止める選手が何人も確認できた。
 前半の途中からすでに、今節の勝利はないな、ドローなら御の字だな、などと考えながら観戦せざるを得ない状況だった。


 ところが先制したのはセレッソ。
 後半も半分を終えた70分、GKキム・ジンヒョンがゴールキックを左前方へ大きく蹴り出すと、前線で競り勝ったFWブルーノ・メンデスが頭でフリック。これをMFパトリッキが拾ってゴールライン際まで運び、遅れてPA内に走り込んだブルーノ・メンデスへマイナスのパス。
 メンデスが走る勢いのままシュートを放つと、ブロックに入った鳥栖DF田代の腕に当たり、PKの判定。


 これはリプレイで観ても間違いなくハンドであり、鳥栖の選手も特に抗議はしていなかったと思う。
 そしてこのPKをFWブルーノ・メンデスが落ち着いて決め、セレッソの先制となった。


 この時点で試合の残り時間は約20分。今日の試合を観ている限り、到底安心はできない時間帯だ。
 そしてその予想通り、82分に同点に追いつかれる。しかも我らがよく知る、MF藤田の同点弾である。CKのこぼれ球と拾った藤田がPA外から左脚を一閃、ゴール右上隅に突き刺さるゴラッソなゴールだった。



 こうして振り出しに戻ったゲームだが、その後は両チームとも得点は奪えず、1-1 のドローで試合は終了。
 すでに述べたように、内容的にはセレッソの完敗である。単にサガン鳥栖のパスのズレなどに救われただけのドローだ。
 セレッソは、2トップがまったくと言ってもいいほどボールが収まらないのに、まるで前線に大迫(現・ヴィッセル神戸)が居るかのようなフットボールである。
 こんな戦術が上位チームに通用するはずがないし、実際に通用していない。変に川崎フロンターレに圧勝したことで、あっという間に対策されてしまった。
 降格の心配は恐らくないだろうという事だけが救いである。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 5.5
ついに外国籍選手としてのJ1出場記録を塗り替えた守護神。この偉業は当分、破られることはないと思うが、残念ながらその記念すべき試合を勝利で飾ることはできなかった。失点シーンは、藤田のシュートを褒めるしかないだろう。フィードもシュートストップも、いつも以上に安定していた。

DF
松田 陸 5.5 (77分OUT)
今日の彼は、フィールドプレーヤーの中では割と気を吐いていたほうではないだろうか。1列前が毎熊だったため、連携度は高くなかったが、上がるべき時に上がり、戻るべき時に戻る、締まったプレーだった。

西尾 隆矢 4.5
90分の間に、何度もミスを犯した。セレッソがボールを奪って反撃にかかるときにミスしてカウンターを受けていては、味方の消耗も激しくなる。猛省を促したい。

マテイ・ヨニッチ 5.5
前節は今ひとつなパフォーマンスだったが、今節はいつもの鉄壁さを誇っていた。後半アディショナルタイムのCKのボールを決めていればヒーローだったが。

丸橋 祐介 5.0
特に悪いわけではなかったが、守備ではやや物足りず、攻撃でも消極的だった。

MF
毎熊 晟矢 5.0 (70分OUT)
大いなる期待をもってスタメン入りしたが、満足の行くパフォーマンスだったとは言い難い。懸命にプレーしていたが、強さが足りず、また味方との連携の精度も低かった。

奥埜 博亮 5.0 (83分OUT)
スペースを上手く使うサガン鳥栖に対し、セレッソの綻びを埋めるべく動いたが、チームを勝たせるには至らず。今日のような展開なら、彼をトップに動かすのも1つの手だと思う。

原川 力 4.5
何がどう良くなかったと明確にすることは難しいが、鳥栖の強度をまともに受けて、結果的にセレッソの躍動を封じる一因になってしまったと感じる。古巣対決だったが、満足なプレーはできなかった。

清武 弘嗣 5.5 (59分OUT)
決定的な仕事はできなかったが、やはりポテンシャルの高さは際立っていた。まるで上から俯瞰しているかのような視野の広さには、いつも驚かされる。

FW
加藤陸次樹 4.0 (59分OUT)
まず何よりも粘りが足りない。そして球離れの悪さやトラップミスなどで、何度もチャンスを潰した。彼をトップに置くのなら、トップ下かシャドーが必要だと感じるが、そこまで彼にこだわる意味も薄いと思う。

山田 寛人 4.0 (70分OUT)
加藤以上にボールは収まらず、単なる裏抜けマシーンと化してた。しかもそれが鳥栖に脅威を与えていたとも思えず、彼としても極めて消化不良な試合に終わったはずである。

 

交代出場
ジェアン・パトリッキ 6.0 (59分IN)
いつもの如く、彼がピッチに入ると左サイドが活性化。だからといってスタメン起用すると上手くいかないというのは、サッカーファンなら想像のつくところだろう。ともかく途中投入で、やや雑にでも彼にボールを渡せば、何かが起きると思わせてくれる。大阪のチームは「戦術:パトリッ◯」が最も得点の匂いがする。

ブルーノ・メンデス 5.5 (59分IN)
PKは相手ゴールキーパーの動きを見て逆を突いた、クレバーなキック。また昨年よりも、サイドに流れてボールを受けた際に、チャンスメイクといった期待が持てるようになってきた。

アダム・タガート 4.5 (70分IN)
特に何か悪かったという訳ではないが、20分以上ピッチでプレーしていたにしては存在感がなかった。PKをゲットしたシーンでは、相手を引きつける動きをするなど、きちんとしたポジショニングをとっているので、もう少し活躍してくれても良いのにと思う。

中原 輝 5.0 (70分IN)
やはり松田陸との連携の高さは、毎熊に比べると一日の長があった。またシュートにも意欲的で、短い時間ながら十分な働き。

鈴木 徳真 ー (83分IN)
出場時間が短く採点なし。

 

監督
小菊 昭雄 4.0
試合前日の「いい準備ができている」とは一体なんだったのか。連戦とはいえ、彼が選手に授けた何かが、まったく見えてこない90分だった。選手がセルフジャッジしてホイッスルが鳴る前にプレーを止めたり、3人目・4人目の動きがほとんど見られないのも、指導力が問われるところだと思う。

 

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