【映画】コーダ あいのうた

あらすじ

豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対・・・。

引用元：Codaあいのうた 公式サイト

鑑賞後の感想

　フランス映画のリメイクで、昨年のアカデミー賞の作品賞などを受賞した作品。観終わって、シンプルに良い映画だと感じる作品である。
　両親・兄がろうあ者で、家族の中で自分一人が耳が聞こえる少女が主人公。幼い頃から家族の通訳をこなさなければならず、高校に入っても漁師である父の仕事を手伝いながら、好きな歌よりも通訳を優先せざるを得ない生活。
　そんな中でシンガーとしての才能を開花し始めるが、彼女に依存する両親は娘が遠方の音大へ進学することを反対するという、妙にリアルな重みのある内容だった。
　とにかく主人公の娘の葛藤は身につまされるように理解できるが、重苦しい題材の割には明るい作風であり、観ていて心が痛むような不快感はない。
　ところどころ挿入される主人公の歌声は実に素晴らしく、TVスピーカーではなく、きちんとオーディオにつないで視聴することを強くオススメしたい。主人公を演じた女優に関しては、手話を交えての演技も圧巻である。
　特に大きな山場がある訳ではないのに、観始めたら止まらず、終盤にはきっちり感動できる映画だ。間違いなく良質な作品なので、ぜひ観て頂きたい。