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【セレッソ】 vs 名古屋グランパス(2023年J1リーグ第25節)

 今日のセレッソ大阪は、ホームで名古屋グランパスと対戦。雷雨で30分ほど試合開始が遅れ、午後7時半すぎからのキックオフとなった。
 スタメンは下記公式X(旧:Twitter)の通りで、前節からは左CBが鳥海からヨニッチに変更になっている。

 試合は、FW上門が2得点をマークし、3-1でセレッソが勝利している。

C大阪 3-1 名古屋グランパス

 試合は、序盤から動いた。
 前半2分には、ロングパスから簡単にボックス内への侵入を許し、FW永井が走り込んできたMF野上へボールを送って、あっさりとゴールネットを揺らされている。ただしVARチェックの結果、わずかに永井がオフサイドと判定され、ノーゴール。

 セレッソの先制点は8分。ビルドアップのシーンで、SB毎熊が右サイドから縦の裏のスペースへボールを送り、FWレオ・セアラがサイドに流れながら中を見てワンタッチでゴール前へグラウンダーのクロス。
 ここに走り込んできたFW上門がダイレクトで蹴り入れ、割りと簡単に先制してしまった。

 レオ・セアラの針の穴を通すようなクロスも見事だったし、上門もふかさず確実に足に当てた、素晴らしいシュートだった。

 ところがその直後に失点。試合を再開してすぐ、左サイドをFW森島に突破されてクロスを上げられ、ファーサイドでフリーだったMF森下にダイレクトで流し込まれた失点シーンだった。

 森島に突破を許したMF喜田の軽すぎる対応は猛省に値するが、リプレイで観ると何故これほどニアにばかりセレッソの選手が集まって、ファーが無警戒になっているのか、理解に苦しむディフェンスであった。

 その後は一進一退の攻防。
 18分、セレッソは人数をかけて攻め込むも、最後の喜田のミドルシュートは枠外。
 その1分後には、サイドに流れてボールを受けた名古屋FW永井に、CB進藤が軽々と突破されてクロスを入れられるが、またもファーサイドでフリーだったMF森下のシュートは枠外。ついさっきの失点シーンとほぼ同じパターンでやられたお粗末な場面であった。
 37分にはレオ・セアラがミドルシュートで狙うも、ボールは枠の外。
 44分のレオ・セアラのフリーキックは、名古屋GKランゲラックがセーブ。

 こうして前半は1-1で終了。名古屋は中盤が厚く、それが連動して前後にスライドするため、数的有利を作られるシーンの多い前半だった。

 そしてエンドが変わった後半。
 46分のグランパス陣内左奥のセレッソのスローインから始まった場面で、ゴールライン際からMFカピシャーバがグラウンダーのクロス。これがGKとDFの間を通す絶好のコースに入ったが、誰も触れず。カピシャーバへボールが渡ったのがややイレギュラーな形だったため、中にいたSHクルークスも反応できなかったと思われる。
 ただこのシーンに限らず、クルークスは逆サイドからクロスが入る際に、少し中へ入りすぎではないかと思える場面が少なくなかった。クロスの精度との兼ね合いでもあるが、ボールが頭上を超えて誰もいないファーへ流れていくシーンが多かったように思う。

 ところが55分あたりから、早くも両チームの選手たちの足が止まり始め、徐々にオープンな展開となっていく。
 61分には右サイドを崩されてPA内からクロスを許し、ゴール正面からMF野上にヘディングシュートを打たれるも、GKヤン・ハンビンがナイスセーブ。
 その直後のプレーでは、FW上門がスルーパスから裏へ抜け出すが、角度のない場所から放ったシュートは枠に飛ばず。
  67分、途中出場でピッチに入ったばかりのグランパスMF和泉のシュートは、GKヤン・ハンビンが横っ飛びでファインセーブ。

 そして70分、右サイドのセレッソのスローインで始まったプレーで、グランパス陣内中央やや右で斜め後ろからのボールを受けたFW上門が、巧みなターンで一人かわして名古屋ゴールへ向かい、そのまま自分でシュート。利き足ではない左足のシュートで、コースは少し甘かったが、GKランゲラックの手を弾く、勝ち越しゴールとなった。

 前半の先制後はアッという間に追いつかれたが、この上門の追加点後はちょうど飲水タイムに突入。選手間の意思疎通と気を落ち着かせることのできる、セレッソにとってはラッキーな飲水タイムといえた。

 その後79分に、レオ・セアラとクルークスを下げて、CB西尾とFW北野を投入。上門を1トップにした、5-4-1の布陣となった。
 しかしそのすぐ後には、グランパスMF森島にバイタルエリアから強烈なシュートを打たれるが、ここもGKヤン・ハンビンが好セーブ。

 セレッソは82分に、カピシャーバとSH新井を交代。
 さらに85分には、上門と喜田を下げて、鈴木徳真と渡邉りょうを投入する。

 そして87分、名古屋ペナルティアーク付近にいたFW北野に、渡邉からのボールが入り、北野が上手く名古屋DF中谷をかわして素早くシュート。これが試合を決定付ける追加点となった。

 北野のシュートへの速さはストライカーらしい優れた判断だし、GKランゲラックがほぼ反応できなかったコースへ打つのもお見事。
 ふだん彼には苦言を呈することの多い当ブログでも、諸手を挙げて称賛できるシュートだったと思う。

 こうして3-1で試合は終了。
 容易にクロスを上げられた対応は課題として残るが、選手交代を含め、セレッソが試合をコントロールできたといえるゲームだったと思う。
 3位vs6位の対決であり、価値の高い勝利であった。

選手採点(セレッソのみ)

GK
ヤン・ハンビン 7.0
1失点はしたが、数回あったファインセーブで勝利に貢献。何度も述べているが、本当に彼が今季いてくれて良かった。キム・ジンヒョンも練習に復帰しているようだが、どちらを今後スタメン起用していくのか、贅沢な悩みが小菊監督を襲うことになる。

DF
毎熊 晟矢 6.5
いつも通り効果的な動きが光った。特に攻撃面では、大いに相手の脅威になっていたはずだ。

進藤 亮佑 6.0
19分に、名古屋FW永井に安々と突破された対応は頂けないが、29分には1点モノのMF野上の高速グラウンダークロスを、FWユンカーの1つニアで触って、ゴールを守っている。

マテイ・ヨニッチ 6.0
前半はスピードの遅れがやや気になったが、後半はいつもの安定した彼だった。

舩木 翔 6.0
チャンスメイクなどはなく、いわば無難にこなした90分だった。それが悪いという訳ではないが、もう一皮むけて欲しいというのが本音のところ。

MF
ジョルディ・クルークス 5.5 (80分 OUT)
対応されて躍動できず。もう一段、上の突破力を期待したい。

香川 真司 7.0
前半に2度、前へのパスが長くなる、彼らしくないプレーがあっただけで、他はほぼケチの付けようがなかった。流石のキープ力と広い視野、豊富な運動量。特にボール非保持の際の位置取りと動きは、本当に素晴らしい。

喜田 陽 5.5 (85分 OUT)
本文でも触れた、失点シーンでのMF森島への対応は不味かった。クロスだけは絶対に防がなくてはならない場面である。

カピシャーバ 6.0 (82分 OUT)
相当に警戒され、前半は抑えられてしまったが、徐々に強さを発揮。クロスの精度は低かった。

FW
レオ・セアラ 7.0 (80分 OUT)
何度も前線でボールを収め、上門の先制点もお膳立て。彼なしにはこの連勝はなかった。

上門 知樹 7.5 (85分 OUT)
いずれもテクニカルなシュートによる2得点。特に2点目は、観ている方も気持ちの良いゴールだった。

交代出場
西尾 隆矢 ー (80分IN)
出場時間が短く採点なし。

北野 颯太 ー (80分IN)
出場時間が短く採点なし。ただし試合を決定付けた追加点は、値千金のゴール。

新井 晴樹 ー (82分IN)
出場時間が短く採点なし。

渡邉 りょう ー (85分IN)
出場時間が短く採点なし。

鈴木 徳真 ー (85分IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 7.0
的を射た交代策が印象的。また後半の早い段階からピッチの選手たちに対する意思の疎通が行われ、うまくマネジメントできたと思う。


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