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【スピーカー】JBL L100 Classic レビュー

 もう半年近く前のことになるが、またスピーカーを買い替えた。レビューというほどではないが、今日はその話をさせて貰おうと思う。

スピーカー買い替えの経緯

 この春に次男が遠方の大学に進学したので、2階がひと部屋空き、そこをマイルームとさせて貰うことは、家族間で漠然と決まっていた。
 それまではずっと、1階のリビングで家人のいない時間帯を狙って、音楽を愉しんでいた。好きなときに聴けず何かと大変だったので、待望のマイルームである。
 それにあたって少し大きめのスピーカーへ買い替えた次第だ。

 それまで使っていたのは、TANNOY3LZ Monitor GOLD」。これはこれで、満足な音だった。

 ただ上記の投稿でも書いている通り、女性ボーカルなどは絶品ではあるものの、ジャズに関してはやはりJBLのほうがエネルギッシュな音だった。
 そもそも子供が家を出ていって部屋が空いたら、もう少し大きいJBLスピーカーを買う前提で、上記のTANNOYを購入したので、今回の買い替えは予定していたことでもある。
 ただし「3LZ Monitor GOLD」は銘機として知られるだけあって、ハマれば他に代えがたい官能的な音を出してくれていた。置き場所と金銭に余裕があれば、手放さずに置いておきたい素晴らしいスピーカーだった。

スピーカーの選定

 買い替えるスピーカーは、何となく決まっていた。
 本当は「JBL 4333A」あたりのビンテージスピーカーが欲しいのだが、さすがに大きすぎるため断念。そして次点として候補にしていたのが、「L100 Classic」である。

 これは数年前に発売されたスピーカーだ。往年の銘機「L100 Century」をモチーフに開発されたモデルで、かなりの売上台数を誇ったはずである。
 私も発売当時、オーディオショップで何度か試聴させて貰った。現代的な音ではあるが、定位の良さが印象的に残っている。
 部屋の広さ(8畳)から考えてもこれくらいが限界だろうと、漠然と考えていた。

 そうして今年の正月。大阪・日本橋のジョーシンに出向いた。
 すでに次男の大学進学が決まっていて、その部屋を使うことも妻から承諾を得ており、さらに当時はJBLが翌2月からの値上げを発表していた時期だった。しかもその値上げ前に対象スピーカーを購入すると、純正のスピーカースタンドをプレゼントというキャンペーンまで実施されていた。
 純正スタンドも安くはないので、どうせ買うなら値上げ前のスタンド付きの間にとは思っていた。

 正月にジョーシンを訪れたのは、「L100 Classic」を再度試聴して、本当にこのモデルにするか否かを最終判断するためだった。次男が出ていくのは3月末なので、2月の値上げ前ギリギリに購入しようという腹づもりだった。

 そして持参したCDで試聴させて貰うと、飛び抜けて良い音とは思わないものの、どんな音楽でもソツなく鳴らす、オールマイティな感想だった。これまでそれなりの数のスピーカーを使ってきたが、鳴らす音楽によって一長一短というモデルがほとんどだ。複数のスピーカーを置く余裕がない以上、様々な音楽性に対応できるのは、重要なメリットのひとつである。
 やはりこのスピーカーにするかなーと、考えながら試聴していた。

 ところが、である。前述の通りその日に買うつもりは毛頭なかったのだが、試聴に応対してくれた店員さんが「出来れば今日、買ってほしい」「今日買ってもらえるなら、値段は頑張る」と猛プッシュをかけてくる。
 4月まで部屋が空かないと説明すると、それまで店で在庫しておく、もちろん配達日からのメーカー補償スタートOKと仰る。
 さらに無料で配達してくれて、2階まで持って上がってくれるとの事。「普段から冷蔵庫や洗濯機を配達してますから、ブックシェルフ型スピーカーなんて余裕です」と言われると、ジョーシンなのだからそりゃそうだと納得。
 ネット通販と異なり、2階まで運んでくれるのは魅力的だ。サイズ・重量から考えると、ひとりで2階に上げるのは困難を極める。

 値段を相当頑張ってくれたこともあって、結局その日に契約して、代金も支払った。配達はこちらの希望通り、4月である。
 新品ということもあって、私がこれまで購入したスピーカーの中では、最も高額なモデルとなった。

スピーカーの到着と調整

 さて、4月になってスピーカーが到着。

 想像していたより外装ダンボールのサイズが大きくて驚いた。これは独りでは2階に上げられない。ジョーシンで購入して良かったと、心から安堵した。
 配達の方が「開梱して緩衝材とか持って帰りましょうか?」と訊いてくれたが、なぜか深く考えずお断りしてしまった。後で自分で箱を開けて、膨大な発泡スチロールや段ボールがゴミとして発生してしまい、我ながら愚かだったと深く後悔しする羽目に。

 ともかく純正スタンドにセットして、ケーブルをつないで音出ししてみた。
 率直な感想としては、かなり低音がキツい。もこもこと低音が響き、やや不快である。要するにブーミーなのだ。
 この状態でアッテネーターなどで調整を行いながら3ヶ月ほど様子をみたが、どうにも低音モリモリがなくならない。
 やはり2階というのは床の強度も影響してか、鳴らすのが難しいようだ。

 そこでスピーカースタンドの下に、オーディオボードを敷いてみた。TAOCSCB-RS-HC45G」という製品だ。急遽、中古で購入したボードである。
 しかし多少はマシになった気がするが、依然として低音が効きすぎる状況は変わらず。

 ということで、ひとまず強硬手段に出た。バスレフポートをスポンジで塞ぐのである。
 他メーカーでは、バスレフポートを塞ぐための吸音スポンジを付属しているスピーカーもある。その手法だ。

 で、100円均でスポンジを買ってきた。浴室清掃用のスポンジである。

吸盤は外して使用

 サイズ的には、笑ってしまうほど「L100 Classic」のバスレフポートにピッタリだった。

ぽっかり開いているバスレフポートに…

ピッタリと嵌った!

 ただしそのまま嵌め込んで鳴らしてみると、今度は低音が激減してしまった。
 そこでスポンジの厚みを1/3程度にカットしてみた。仮に失敗しても100円なので、また買えば良い。
 と思いながらのトライだったが、これでなかなか悪くない低音の出方になった。
 自宅に着弾してから3ヵ月近くが経って、ようやく安心できるサウンドになったといえる。
 もしエージングによって鳴り方が変化した際は、またスポンジで調整することもできる。100均にうってつけの商品があって、実に幸運だった。

 この状態でおよそ2ヶ月。現在は概ね満足の行くサウンドになっている。
 感想としては以前からの印象通り、どんな音楽でもそれなりに鳴らしてくれるスピーカーといったところだ。古いJBLのサウンドではなく現代的な音ではあるが、それでも他メーカーとは違って、高音質になり過ぎない良い意味での丸っこさがある。
 見通しが良いとはいえない音だが、それもJBLらしい。古いスピーカーにありがちな、静寂時のホワイトノイズのようなものも発生しない。

 女性ボーカルでは、やはりそれまで使っていたTANNOY3LZ Monitor GOLD」の方が、艶があった。というか、過去に所有したスピーカーのほとんどは、それぞれに味があった。
 例えば古い日本の歌謡曲や一部のジャズなんかは、今回の「L100 Classic」よりもかなりグレードの低い「JBL 4307」の方が、好みの音だった。ただその「JBL 4307」も曲によっては大いにイマイチだったのも事実だ。
 「L100 Classic」は何を聴いてもイマイチにはならない。それなりの音が出てくる。スピーカーを1ペアしか置けない以上、これは軽視できない能力だ。

 上を見たらキリがない。これまで短くて数ヶ月、長くても2年ほどでスピーカーを買い替えてきたが、当面の間はこの「L100 Classic」と付き合っていくつもりだ。
 まあでも、なんだかんだ言ってジャズはやっぱりJBLかなーと思う。


↓ コメントはこちらへ ↓

  1. jin より:

    おっ、少々意外なチョイスですね。
    もう少しクラッシックな方向性に行くかと思ってました。

    でもこのスピーカー、サランネットのデザインが70年代のモダンアートの様でカッコいいですね。スピーカーもアンプもデザインは大事です。

    あと、ケーブルは床に伏せずに中に浮かすといいですよ。音に透明感が出てスッキリする気がします。
    少しオカルトチックなネタ、不要ならスルーしてください。

    • ヨリヨリ ヨリヨリ より:

      こんばんは。

      どうせまたそのうちビンテージモデルを買うはずですけど、L100 Classicは一芸に秀でてなくとも、とりあえず何を流しても水準以上かなという鳴り方なので、当面はこのスピーカーを使うつもりです。(少なくとも現時点では。。)

      ちなみにサランネットは、個人的には特に良いとも思ってないんですよー。嫌いでもないですが。
      ただJBLなら、サランネット外せばブルーバッフルが出てくるほうが嬉しかったかなとは思ってます。

      ケーブルインシュは、まだまだそのレベルのオーディオシステムではありませんので、もう少しトータルで底上げされてからで良いかなと感じてます。
      そもそもケーブルだって色々聴き比べてきた訳でもないもんですから。

      オーディオはなかなかゴールが見えませんね。良くも悪くも。
      素晴らしい趣味だなーと、常々思ってます。
      それではまた!

  2. 匿名 より:

    アッテネーターはどのようにしてますでしょうか?

  3. ヨリヨリ ヨリヨリ より:

    こんばんは。
    初めはだらしない低音がダダ漏れだったので、MidもHighもかなり上げてましたが、上の記事で書いた通りレフポートをスポンジで塞いでからは、今のところノーマルポジションで聴いてます。
    (ただし音源によっては、プリアンプの5バンドイコライザーを使ったりはしてます)

    • 匿名 より:

      ありがとうございます。
      当方は当初Midを抑えておりましたが、3年経ちノーマルポジションになりつつあります。

  4. ヨリヨリ ヨリヨリ より:

    なるほど、そちらでは抑えてらしたんですね。
    いずれにしてもエージングが進まれたという事ですよね。当方はまだ半年ですが、当初より低音のダブツキが軽減されてきたかなと、少し感じます。
    なので一度そのうち、バスレフポートを塞いでいるスポンジを外して試聴しようとは思っています。
    貴重なコメントありがとうございます。また色々と教えてください。
    L100 Classicは、売れた割には周りに誰も使っている人がおらず、あまりブログとかも見かけないので。。

  5. 匿名 より:

    L100Classicのブログ等情報が少ないですね。
    よって、ブログ楽しく拝見しております。

  6. ヨリヨリ ヨリヨリ より:

    ですよね、少ないですよね、L100Classicのレビューとか。売れたハズなのに。
    皆さん気に入ってないのかなとも考えられますが、その割にはあまり中古市場に出ている雰囲気もないので、手放しておられる様子もなく。。
    また何かイジったりしたら、ブロクでご報告させて頂きます。

  7. 通りすがり より:

    初めまして。私も先日L100を購入しました。mk2のための在庫一掃セールで、あまりに安かったので買ってしまいました。これでヘレシーⅣと2セット並ぶハメになりました。
     さて私も最初の出音でがっかりした口です。低音がもったりして、ヘレシーの方がずっといい。買うんじゃなかった、と。ここからアッテネーター調整が始まりました。ネットで検索しまくり。ジャズポテト氏に辿り着きます。氏によれば、JBLの黄金バランスは50:30:20とのこと。これ、ウーハー:スコーカー:ツイーターの音量比です。確かにアッテネーターはmax側よりmin側にレンジが広く。絞って使うものと窺えます。氏はスタジオモニターをお使いですが、ミッドは10時、ハイは2時の位置。機種は違えど、私もこのあたりから調整を開始。ミッド11時、ハイ1時でベストバランスを得ました。スコーカーレベルを下げることで音のかぶりが取れ、もったりが無くなりました。ウーハーの低音がクリアでタイトになりました。そして気づいた事があります。JBLのHPにあるL100の画像。これ、ミッドが11時、ハイが12時になっているではありませんか。これは一つの解であると思いました。
     スポンジを外して是非お試しあれ。
    https://jp.jbl.com/L100+CLASSIC.html?dwvar_L100%20CLASSIC_color=Black-GLOBAL-Current#q=L100&start=1

    • ヨリヨリ ヨリヨリ より:

      こんばんは。コメントありがとうございます。

      今年に入ってからパワーアンプを真空管に買い替え、さらにスピーカースタンドも純正をやめて他メーカーに変更し、現在に至っています。
      で、パワーアンプを入れ替えた際に再度アッテネーターは調整しており、今どうなっているかと確認したところ、ハイはほぼノーマルで、ミッドはかなり落としてました。

      たまにはアッテネーターも動かした方がガリ予防になると思うので、今週末にでも頂いたアドバイスに従って久しぶりに調整してみます。
      タメになる情報ありがとうございました!
      スポンジも外してみますw

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