ついに買ってしまった。「THE ART OF PEPPER」 のレコードとしてはオリジナル盤にあたる、BaccarolaのLPである。
The Art of Pepper/Art Pepper
アーティスト | Art Pepper |
タイトル | The Art of Pepper |
カタログNo. | 80 116 ZT |
プレス国 | ドイツ |
この作品は、もともと1957年にオープンリール(オメガテープ)で発売されたものがオリジナルにあたる。ところがなぜかレコード化はされず、ようやく74年に西ドイツでLPとして発売されたのが、今回購入した盤である。
ちなみにその翌年に日本のテイチクが、ジャケットは違うものの 「THE ART OF PEPPER Vol.1」 というタイトルで同じ作品をリリースしている。
この日本盤はかなり出回っていて、今でも安価で中古レコードが手に入る。私も持っている。長い間、この日本盤を聴いてきた。
この日本盤に、特に不満はない。それよりも作品そのものが好みで、かなり聴き込んできた。
ところがそうなると、先にレコード化されたドイツ盤が聴きたくなる。リリースは1年しか変わらないので、大きな音質の差はないと予想できるのだが、それでも欲しくなる。
ただ日本盤と比べ、このドイツ盤は高い。そもそも出物も少ない。
ということで、長らく欲しいと思いながら入手できていなかったドイツ盤だが、とうとう先月ポチってしまった。
無味乾燥な日本盤と比べ、ジャケットが美しいのも購入意欲を掻き立てられた。
で、実際に聴いてみての感想だが、かなり日本盤とは音の方向性が違う。
日本盤は割とあっさりしていて、西海岸の軽快な音である。
対してドイツ盤は、どっぷりとベース音が響いて、低音が濃い。奥行きがあるともいえる。
相当な違いなので、どちらが良いかは好みが分かれるかもしれない。
個人的には、初めにこのドイツ盤に針を落としたときは、慣れ親しんだ音と違いすぎて、かなり戸惑ってしまった。数万円も出して購入したのを、少し後悔した。
ただ、イコライザーで調整してからは、すんなり聴くことが出来ている。そもそもRIAAカーブなのかどうかも怪しい。
いわゆるオーディオ的な音質面では、特に優劣はない。繰り返すが、音の方向性が違うだけだ。
だから私のようによっぽどこのアルバムが好きな人以外は、テイチクの日本盤で十分だろう。あまりにも価格差がありすぎる。
ただし今現在、私がこのドイツ盤を買ったことを後悔しているかというと、決してそんなことはない。
今後テイチク盤を聴くことは、ほとんどないと思う。
BGMとして流す分には、日本盤のほうが適しているかもしれないが、集中して演奏を楽しむなら、Baccarola盤のほうが惹き込まれる音をしているからだ。後者は、聴き流すつもりでもついつい耳がプレイを追いかけてしまうのである。
高かったけど、やっぱり買って良かった。
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