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【セレッソ】 vs アビスパ福岡(2024年J1リーグ第15節)

 今日のセレッソ大阪は、アウェイでアビスパ福岡と対戦。
 スタメンは、下記公式Xの通り。ヴィトール・ブエノがスタメン入りし、毎熊がベンチに復帰している。

 ゲームは、久しぶりにセレッソが先制し、3-0で勝利している。

アビスパ福岡 0-3 C大阪

 立ち上がりは、アビスパがボールを握る展開。左サイドをDF岩崎に走らせるか、トップのFWシャハブ・ザヘディに当てるという、シンプルながらも効果的な狙いを徹底していた。
 対するセレッソは、両サイドバックの登里と毎熊を怪我で欠いていることで、開幕時からの4-3-3を一旦封印し、田中と奧埜をボランチに並べた4-4-2で入った。
 序盤のセレッソは、異様に縦に急ぐフットボールだったが、恐らくそういう意思統一が為されていたのだろう。
 そして前半6分には、早くもアビスパ福岡にイエローカード。バウンドしたボールの処理を誤ったDFドウグラス・グローリが、カウンターに走るFWレオ・セアラを後ろから倒したファールによるイエローだった。
 この試合で前半4枚、後半2枚という多くの警告を受けた福岡だったが、セレッソの1点目がこの1枚目のイエローを受けたフリーキックからだったことを考えると、結果的にアビスパは自ら試合を難しくしてしまったともいえる。

 で、その先制点はフリーキックの流れから、最後はブエノのシュート(パス?)をボックス内でレオ・セアラが巧みにトラップし、振り向きざま右足を振り抜いたゴールだった。

 さらに追加点もセットプレーから。
 28分のコーナーキックの場面で、開幕戦と同様にFWルーカス・フェルナンデスの蹴ったボールにMF田中駿太が頭で合わせたゴールだった。

 そしてセレッソの2点リードで迎えた後半。
 52分の福岡PAすぐ外からのフリーキックでは、またも意表をつくセットプレー。直接ゴールを狙うと思わせながらグラウンダーのパスを縦に送り、ルーカス・フェルナンデスがクロスを上げる形のプレーだったが、ここは決められず。

 そしてこの辺りの時間帯から、連戦の疲れと気温の高さからか、両チームの選手たちの足が、早くも重くなり始める。
 こうなると徐々にやや投げやりなプレーが目立ち始め、そして60分に福岡FWシャハブ・ザヘディにイエローカード。すでに前半にも1枚もらっており、ここで退場となってしまった。

 数的有利となったセレッソは、69分に絶好のカウンター。自陣でこぼれ球を拾ったMF奧埜から、左サイドでルーカス・フェルナンデス→ヴィトール・ブエノと縦に運び、中央をレオ・セアラ、さらに大外からフリーのクルークスがボックス内へ走りこむチャンス。
 しかしブエノはクロスを上げずドリブルでボックス内まで侵入し、ブロックされて好機逸脱。ブエノにはワンタッチでクロスを上げて欲しいタイミングだった。

 そして77分にセレッソは、ヴィトール・ブエノと奥田を下げて、上門と毎熊を投入。
 しかしその直後、ジョルディ・クルークスが福岡FWウェリントンと競った後に座り込んで、交代を志願。代わりに為田が入ることとなった。
 さらにそのすぐ後に小菊監督は、レオ・セアラに代えて清武を投入。たった5分の間に交代カード3枚を使い切るという勝負に出た。
 ジャスティン・ハブナーを入れて5バックにして逃げ切るという方法もあったが、アビスパに退場者が出ていることで、攻撃の圧を増す選択をしたと思われる。

 後半アディショナルタイムには、アビスパにとってこの試合最大の得点チャンス。サイドからのクロスに後ろから走り込んだFWウェリントンが高い打点のヘディングを放ったが、GKキム・ジンヒョンがファインセーブで立ちはだかる。

 そしてその後の試合終了間際に、為田がダメ押しの追加点をマーク。
 清武からのクロスに大外から走り込んだ為田がボレーシュート。これは一旦GK村上に弾かれるも、こぼれ球を為田が自ら頭で押し込んだゴールだった。

 それしても清武のこのクロスの精度は、流石というか凄いのひと言。

 こうして試合は、3-0でセレッソの勝利に。
 セットプレーを含めて相当スカウティングによる仕込みがあったこと、そして4-3-3を一時的にせよ放棄したこともあり、セレッソの快勝となった。
 ただ大局的に見れば、アビスパ福岡の自滅という要素も強い。主審のジャッジも怪しかったが、それでも退場したFWシャハブ・ザヘディの1枚目のイエローなどはあまりにも勿体ないし、今季はそれなりにセットプレーでも得点を決めているセレッソに対し、自陣での不用意なファールが多すぎたと思う。
 今季のセレッソは、相変わらず先制されるとダメダメだが、逆に先制すれば強い。自陣でイエローカードを提示されるファールでフリーキックを与え、その流れから先制点を献上したアビスパは、やはり自ら試合運びを難しくしたといえるだろう。

 いずれにしても6試合勝ちのなかったセレッソは、久しぶりの快勝。連敗を3で止め、レオ・セアラが得点ランキング単独首位に立つ、会心のゲームとなった。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 6.5
試合終了間際の福岡FWウエリントンのヘディングシュートは、決まったと観念したが素晴らしい反応でセーブ。自らクリーンシートを手繰り寄せた。

DF
奥田 勇斗 6.5 (77分 OUT)
ここ数試合、毎熊の離脱でお先真っ暗になったセレッソサポーターに唯一、希望を与えてくれた彼のパフォーマンスは、今節も健在。74分にマッチアップした福岡DF岩崎の突破を阻止した身体の入れ方など、賞賛すべきプレーが多かった。

鳥海 晃司 6.0
4-4-2になったためか、迷いなく安定したプレーが90分続いた。

西尾 隆矢 6.0
福岡FWザヘディには人数をかけてチェックを行い、好きにプレーをさせなかった。むしろ終盤に投入されたウェリントンの方が脅威だったと思う。

舩木 翔 6.0
SBとしては前への推進力の低さが気になるが、12分のアビスパ岩崎のクロスには、中へ入ってクリアー。素晴らしい判断だったが、前々節のヴィッセル神戸戦では同様のプレーで、大外の山口蛍をフリーにし、点を決められている。つくづくサッカーとは結果で論じられるスポーツだと感じる。

MF
田中 駿汰 6.5
奧埜が近くにいるためか、いつもよりアクティブに動き、前に顔を出す場面も少なくなかった。ただ彼も今季、かなりの出場時間である。疲労の蓄積が気になるところだ。

奥埜 博亮 7.0
久しぶりに奧埜を堪能した90分。どこにでも顔を出し、広範囲をカバーし、セカンドボールを拾い、パスの貰えるスペースに位置どり、シュートも放つ。流石に年齢的にパフォーマンスが落ちてきたかと感じていたサポーターの不安を一蹴したゲームだった。

ヴィトール・ブエノ 5.5 (77分 OUT)
球離れの悪さ、運動量の少なさ、ネガトラの遅さが気になるものの、それらは奧埜がカバーしていた。それを戦略としてチームで共有しているのなら、特に問題視はしないが。

FW
ジョルディ・クルークス 6.5 (80分 OUT)
彼の守備は、献身的だがやや軽い。とはいえ十分に勝利に貢献し、右サイドで脅威を与えていた。負傷交代となったが、軽傷であることを祈るのみ。

ルーカス・フェルナンデス 6.5
やはり前への推進力は格別。守備の意識も高く、何の不満もないプレーぶりだった。今季のセレッソの補強は、本当に当たりである。

レオ・セアラ 7.0 (82分 OUT)
今日の試合で最も重要だった先制点をマーク。点のとれるストライカーは、セレッソにとってはいつ以来だろうか。ただし彼も勤続疲労が気になる。

交代出場
上門 知樹 ー (77分 IN)
出場時間が短く採点なし。

毎熊 晟矢  (77分 IN)
出場時間が短く採点なし。

為田 大貴 ー (80分 IN)
出場時間が短く採点なし。

清武 弘嗣 ー (82分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 6.5
きちんと仕込みが感じられ、チームとしての練度も高かった。とにかく先制点がどちらに転ぶかが、何よりも重要な監督である。


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