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【セレッソ】 vs ガンバ大阪(2022年J1リーグ第14節)

 今日のセレッソ大阪は、ホームでガンバ大阪と対戦。
 スタメンは下記公式Twitter の通り。どうやらコンディション不良らしいDF西尾がベンチ外になっており、代わりに鳥海が左CBに入っている。

 ゲームは、前半にガンバに先制されるも、後半にセレッソが3得点で逆転するという、格別な内容となった。

C大阪 3-1 G大阪

 立ち上がりは完全にセレッソがボールを握る展開。
 早い時間帯から何度かチャンスを作れたが、その中でも12分には、CB鳥海からの縦パスで裏に抜け出たFWアダム・タガートが、ガンバGK一森と1対1になる決定機。
 ここはGKに防がれたが、その1分後にもFW清武のクロスに再びアダム・タガートとMFパトリッキがゴール前へ飛び込む好機があった。しかしここはガンバCB三浦に先に頭で触られ、シュートまで持ち込めず。

 ガンバのチャンスとしては、25分にGK一森の長いゴールキックから、あっという間にクロスを入れられ、ニアに走り込んだFW山見にヘディングシュートを許した場面があった。枠には飛ばず事なきを得たが、隙きをつかれて簡単にシュートまで持ち込まれた、危険なシーンではあった。

 とはいえ、その後も優勢なのはセレッソ。
 27分には左右の揺さぶりから、最後は左SB山中がクロスを上げ、ファーサイドにいた右SB松田がボレーシュート。しかしここも枠外。難しいシュートではあったが、決まっていれば左SB→右SBでのボレーという、スーパーなゴールシーンにはなっていた。

 ところがチャンスを作るも決めきれないと、相手に流れが渡るのはサッカーでは常識の事例。
 32分、自陣でパスを受けたMF原川のトラップが大きくなった所を、ガンバFWレアンドロ・ペレイラに狙われてしまった。ボールをかっさらったレアンドロ・ペレイラは、サイドに流れるもPA内へクロス。これをガンバFW山見が頭で合わせ、先制ゴールを許す結果となった。



 結局、前半は1点をリードされたまま折り返し。
 後半もセレッソが攻勢を強め、48分には左サイド山中から、ファーサイドでフリーだったSB松田へボールが渡ったが、松田のボレーシュートは再び枠外。
 さらに55分には、良い崩しからSH毎熊がグラウンダーのクロスを入れるも、ニアでガンバCB昌子がクリアー。

 しかしその2分後、ようやくセレッソに得点が生まれる。
 57分、キム・ジンヒョンがゴールキックで右サイド松田の前のスペースへボールを送り、松田はワンタッチで中央の清武へ。清武もすぐに左側を駆け上がっていた奥埜の前のスペースへパス。
 奥埜はガンバPA内まで迫ったが、GK一森とCB三浦に阻まれてシュートまでは持ち込めず。しかしガンバCB三浦が内側へボールを掻き出したため、図らずもゴール前にいたFWアダム・タガートへアシストする形となり、タガートが落ち着いてゴールを決めて、試合を振り出しに戻した。


 さらに65分には、左サイドを駆け上がったSB山中がワンタッチで中央へクロス。
 ここに再びアダム・タガートが待ち構えていたが、後ろから走り込んだMF奥埜が勢いのままヘディングシュートを放ち、ゴールネットを揺らすことに成功して逆転。
 やまり山中のクロスは精度が高いことを再確認させられる、綺麗なゴールシーンだった。


 その後セレッソは70分に、DF鳥海とMFパトリッキに代えて、DF舩木とMF為田を投入。さらに74分には、足を痛めたFWアダム・タガートに代えてFW北野をピッチへ送り、さらなる追加点を狙う。
 78分には、清武がガンバPA内から左足シュートを放つも、ボールは大きくゴールの上へ。
 さらに86分には、ガンバゴールライン際でボールを攫った北野がドリブルでPA内に侵入し、左足でシュート。ここはGK一森に右足でブロックされるが、決めておきたい決定機だった。

 しかし後半アディショナルタイムの、セレッソ陣内でガンバが獲得したフリーキックの場面。
 ガンバMF石毛の蹴ったボールをMF原川が跳ね返し、こぼれ球を拾ったMF毎熊がガンバゴール目指して持ち上がる。これに反応したのが、FW北野とMF奥埜。ボールを持って上がる毎熊の左を北野が駆け上がり、右サイドを奥埜が並走する形だ。
 奥埜はサイドに流れてボールを保持する(時間を稼ぐ)つもりだったようだが、奥埜側にいたガンバMF石毛があまり自分へ寄せて来ないため、サイドではなく縦の裏へのボールを要求。
 これに応じた毎熊がきっちりスルーパスを送り、受け取った奥埜がPA内からGK脇を通す、ダメ押しのゴールを決めた。
 時間帯から言っても、試合を決定づけて、ガンバの選手やサポーターの心を折るに十分な一撃だった。



 こうして試合は 3-1 でセレッソが勝利。
 後半アディショナルタイムの直前には、ガンバのDF昌子とFWレアンドロ・ペレイラが言い争いを始めて試合が中断する場面があった。試合終了間際に1点リードされている状況で、味方同士が激しく口論して時間を浪費するというのは、かなり珍しいし理解しがたいシーンである。
 個人的には相手チームのことながら、心がざわつく風景だった。
 ただ、DAZN解説の戸田さんは「このアクションがどちらに転ぶかは分からない。(昌子もペレイラも)同じく勝ちたいと思ってプレーしているのは同じなので」といった内容のことを言っていて、さすがに素人とは考え方が違うなと感心してしまった。

 ともかく勝利を飾ったのはセレッソ。
 ガンバサポーターからすると、前半に先制しておきながら、後半に3点奪われて逆転負けを喫するという、極めて腹立たしい内容だったと思う。スタッツが正しければ、90分を通してシュートは山見のたった2本だけだ。しかも試合終了間際に、味方同士の言い争いまで見せられている。
 試合後、選手たちはブーイングが浴びせられていたが、その是非はともかく、正直なところ気持ちは理解できる。
 そして我らがセレッソは、数年前までとは真逆で、お得意様になったガンバ大阪からきっちり勝ち点3を獲得した。強度の高くない現在のガンバが相手だったとはいえ、ゲームを支配して勝利を掴むのは、観ていてとても気持ちが良い。このまま行けるとこまで順位を上げていって欲しいと願うばかりだ。
 それにしても、ダービーの勝利は格別の味である。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 6.5
相手のシュートは少なかったが、ゴールキックなどの精度が今日は極めて高く、何度もチームにチャンスをもたらしていた。

DF
松田 陸 6.0
27分と48分のボレーシュートが決まっていれば、今節のJ1リーグのベストゴールにノミネートはされていただろう。少なくとも後者のシュートは、せめて枠には飛ばして欲しかった。

鳥海 晃司 6.0 (70分OUT)
西尾の穴を問題なく埋めた。攻撃強度の高いチーム相手でどれほど通用するのかは現時点では不明だが、少なくとも今日のパフォーマンスは及第点である。

マテイ・ヨニッチ 6.5
前半はパスの精度がイマイチ。ただし後半は概ね持ち直し、また守備に関してはいつも通りクオリティが高かった。

山中 亮輔 6.5
特に後半、彼らしい精度の高いクロスが光り、奥埜の勝ち越しゴールもアシスト。彼のクロスは、落ちてくる場所が本当にピンポイントだ。

MF
毎熊 晟矢 7.0
トリッキーなポジショニングと追い越す動きで、相手の混乱を誘っていた。またダメ押しの3点目を演出した粘りあるプレーも見事。文句なしのパフォーマンスだった。

奥埜 博亮 8.0
たぶん旧ブログを通しても、「8.0」という採点をつけたことは一度もなかったと思う。中盤を黒子のように暗躍してセカンドボールを拾いまくり、機を見ては前線に動いて自身の2得点を含めたセレッソ3得点すべてに絡む大活躍。「8.0」という過去最高採点をつけるのに、何の躊躇もない。

原川 力 6.0
ガンバ先制点の起点になってしまったが、トータルでは悪い出来ではなかった。以前は奥埜と縦関係になる際は原川が前に位置取ることが多かったが、ここ数節は彼が底に落ちることが多い。ロティーナ時代に証明した奥埜の得点力を考慮しても、理にかなったシステムではある。

ジェアン・パトリッキ 6.0 (70分OUT)
試合中、徐々に存在感を失って、70分に為田と交代。ただ後方からのボールの預け先として強さと速さを発揮し、チームの勝利に貢献した。

FW
清武 弘嗣 7.0 (87分OUT)
前半は素晴らしいプレーが多いのに、肝心な場面でパスがズレたり長くなったりといったシーンが散見されたが、常に相手の脅威となっていた。間でボールを受けて前を向くセンスは抜群だし、加えてアダム・タガートの同点弾の場面での球離れの良さとスルーパスの質。相手にいたら恐ろしすぎるプレーヤーである。

アダム・タガート 6.5 (74分OUT)
ようやく今季初ゴール。相手の掻き出したボールが足元に転がってきたという幸運もあるが、そこにいたというFWセンスを評価したい。

 

交代出場
舩木 翔 6.0 (70分IN)
悪くはないプレーだったと思う。あとは、クリアーボールを味方につなげることが出来れば、1つ上のレベルのプレーヤーになれると思うが。

為田 大貴  5.5 (70分IN)
前々節のジュビロ磐田戦の一発レッド(退場)からは、初のリーグ戦復帰。大きな爪痕は残せなかったが、やるべき事はこなしたと思う。

北野 颯太 5.5 (74分IN)
ビハインドの点を獲りにいかなければならない状況で彼が投入されても、個人的には今ひとつ期待が持てないが、リードした状況での途中出場ならきっちり仕事をこなしてくれると思う。相手の足と接触した際に簡単に転げないところも、良いスタイルである。

加藤 陸次樹 ー (87分IN)
出場時間が短く採点なし。

 

監督
小菊 昭雄 6.5
相手の強度の低さを見抜き、対策を練って的中させた。原川と奥埜の効果的な配置も良く、ほとんどの時間帯でガンバを上回っていた。

 

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