タイトル | ウィンターズ・ボーン |
監督 | デブラ・グラニック |
出演 | ジェニファー・ローレン ジョン・ホークス デイル・ディッキー ギャレット・ディラハント ローレン・スウィートサー シェリル・リー |
公開年 | 2010年 |
タグ(ジャンル) | ドラマ |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
ミズーリ州に住む17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母に代わって幼い弟と妹の世話に励み、その日暮らしの生活を切り盛りしていた。そんなある日、ドラッグの売人をしていた父親が逮捕され、自宅と土地を保釈金の担保にしたまま失踪(しっそう)してしまう。家を立ち退くまで残された期間は1週間、リーは家族を守るべく父親捜しの旅に出るが……。
引用元:Yahoo!映画
鑑賞後の感想
実に静かに淡々と進む作品で、音楽が流れるシーンすらほとんどない。しかし陰鬱な画が圧迫感を生み、始めは退屈だったストーリーから、徐々に目が離せなくなる。
「ヒルビリー」と呼ばれる、山間部の痩せた土地で排他的な集落を形成した、主にアイルランドから来た移民たち。寒々とした山腹で家畜を飼い、野生動物の革を剥いでシチューにする貧しさと、長い年月の間に血縁関係が入り混じったムラ社会。アメリカという国の暗部を描きながら、観る者を追い詰めていくかのような、息苦しさがある。
特筆すべきは、17歳の少女を演じたジェニファー・ローレンスの圧巻の演技。ほぼ全シーンに彼女は登場しているが、タフで無骨ながら弟妹への愛情も感じられる、実に魅力的な主人公を演じきっている。
娯楽映画とは少し離れているので、特に山場があったり、ハラハラドキドキするような場面はない。もっと言えば、ストーリーもあまり関係ない。
この閉鎖的で「掟」が支配する異様な社会の情景。そして役者たちのクセ者ぶりこそが見どころ。
そして時おり挿入される、幼い妹が自宅庭のトランポリンで遊ぶ風景や、主人公がポケットに手を突っ込んで寒空のもと山を歩くような、何気ないシーンが印象に残る作品だった。
少し重いし、序盤は退屈に感じるかもしれないが、一度は観るべき映画だと思う。
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