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【セレッソ】 vs 鹿島アントラーズ(2023年J1リーグ第12節)

 昨日から降り続く雨の中、今日のセレッソ大阪はホームで鹿島アントラーズと対戦。
 セレッソのスタメンは下記公式Twitterの通り。原川はアンカーではなく奥埜との2ボランチで、香川がトップ下に入ったシステムだった。

 長らくホームで連敗が続いているアントラーズ戦だが、残念ながら本日も0-1で敗れている。

C大阪 0-1 鹿島アントラーズ

 開始1分で、アントラーズDF広瀬がMF為田に対するファールでイエローカードを提示され、その2分後には今度は為田がMF樋口に対するファールでイエローを貰うという幕開けだった。
 特に為田のファールは、相手陣奥深くのサイドでのプレーであり、ファールを犯す価値のあるエリアではなかった。これで監督としては残り90分前後、少し難しい舵取りを行わねばならなくなる。為田はこうした思慮の浅いプレーが少なくないので、反省して欲しいし誰かが指摘すべきだろう。

 いずれにしても立ち上がりからしばらく、概ね互角といった内容でゲームは進んだ。とにかく降雨によってグランドコンディションが悪いので、両チームとも細かいパス回しは使えず、浮いた長めのボールを蹴るプレーが多かった。

 セレッソのチャンスとしては22分、左サイドをパス交換で崩してボックス内に侵入し、最後はMF原川がシュートを放ったが、鹿島DFの植田にブロックされて終わっている。
 33分には鹿島MFピトゥカのバックパスミスからFWレオ・セアラが裏へ抜け出したが、懸命に戻ったピトゥカとDF広瀬に阻まれ、クロスもシュートも打てず。
 そして44分には、SB松田が右サイドからクロスを入れ、ニアにMF毎熊が飛び込むが触れず、GK早川がキャッチ。
 前半、決定機といえるほどのチャンスはなかったが、それはアントラーズも同じで、0-0のまま後半へ折返し。

 後半頭から、アントラーズは2人交代。そしてセレッソも、イエローを貰っているMF為田を下げて、上門を投入。
 後半10分、その上門が左サイドをドリブルで突破してカウンターを仕掛け、ゴールライン際まで運んでクロスを入れたが、ボックス内で弾かれてシュートまでは持ち込めなかった。ただし力強い上門のドリブルは、ピッチが水だらけでも気持ちで持って行ったような、気迫のあるプレーだった。

 その2分後には、MF原川を下げてFW加藤陸次樹がピッチへ。これでフォーメーションは、4-4-2。香川と加藤の2トップである。
 しかし後半21分、コーナーキックから最後はアントラーズCB関川に頭で押し込まれ、先制を許してしまう。
 ピッチコンディションの悪い中、セットプレーが鍵となることは両チームもサポーターも予想していたと思うが、そんな中で決めきるアントラーズは、やはり勝負強いと言わざるを得ない。

 さらにその4分後に、MF上門が一発退場。GKキム・ジンヒョンのパントキックのロングボールを収めようと振り上げた足が、アントラーズDF常本の顔に当たってしまい、レッドカートとなった。
 故意ではなかったはずだが、リプレイで観ても危険なプレーであり、一発退場は妥当な判断だろう。何より上門自身が、レッドカードにまったく異議を唱えていない。
 身長が高くないこともあって、これまでもジャンプしてトラップすることの少なくない上門だが、今後は少し方法を変えるべきなのかもしれない。相手選手に目立った怪我がなかったことは、幸いだった。

 こうして一人少なくなったセレッソは、ほどなくして二人を交代。右サイドの毎熊と松田を下げて、クルークスと進藤を投入した。
 これで加藤が左SHに落ちた4-4-1の布陣。クルークスの精度の高いクロス一発を期待した交代カードだったと思う。
 さらに後半40分には、FWレオ・セアラを下げて北野がピッチへ。
 そして44分に右サイドからクルークスが鋭いクロスを入れ、厳しい体制ながら北野がヘディングシュート。枠には飛んだがボールに力はなく、GK早川が難なくキャッチ。

 こうしてゲームは0-1で終わり、またもセレッソはホームでアントラーズに敗北を喫してしまった。
 現実的には、したたかな試合運びをする鹿島相手に1点ビハインドの状態で退場者が出れば、多くの人が敗戦を覚悟したことだろう。もちろんドローや逆転という一縷の望みをもって応援を続けたが、アントラーズがそんなに甘い訳はなかった。

 個人的な試合前の考えでは、この雨はどちらかというとセレッソに有利になると予想していた。今のセレッソの得点パターンは、相手ゴール前での細かいパス交換からよりも、サイドからどーんとクロスを入れて、中でズドンと合わせる、シンプルな形が多いからだ。
 しかしいざ試合が始まってみると、鹿島の巧みなポジショニングによってFWレオ・セアラはサイドに流れてボールを受けるシーンが多く、こうなるとクロスを上げる者と中で合わせる者が逆になってしまっており、なかなかフィニッシュまで持ち込めないシーンが何度も見られた。
 スカウティングも含め、さすがJリーグ随一のクラブだと、またも感服してしまった一戦だった。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 5.5
失点シーンはノーチャンスだったと思う。アントラーズも枠内シュートはそれほど多くはなく、彼が目立つシーンは少なかった。

DF
松田 陸 5.0 (75分 OUT)
失点シーンでは、結果的に彼がキム・ジンヒョンの動きを阻害していた。彼に失点の非がある訳ではないが、なんとなく残念。

マテイ・ヨニッチ 5.5
いつも通り、雨の中でも安定したディフェンス力を見せてくれた。

鳥海 晃司 5.5
グランドコンディションのせいか、比較的セーフティなプレーが目についたが、それはそれで悪くない選択だったと思う。

山中 亮輔 5.5
自慢のクロスを上げるシーンもなかなか作れず。本人も消化不良で終わったのではないだろうか。

MF
毎熊 晟矢 5.5 (75分 OUT)
今日のチームの中では、まだ躍動していた方だと思う。機を見ては鹿島ゴール前まで上がり、ディフェンスにもきちんと戻っていた。

原川 力 5.5 (59分OUT)
試行錯誤しているのか、今のセレッソは頻繁にシステムを変えているが、どんな布陣でもしっかり対応している彼は、さすがである。

奥埜 博亮 6.0
やはりポジショニングが良く、セカンドボールはよく拾うし、味方ボールホルダーに顔を出してパスコースを増やすなど、大いにチームに貢献。ただ出来れば、もう少し前の位置に彼を置きたい。

為田 大貴 4.0 (HT OUT)
試合開始すぐの不用意なイエローカードは、大きな反省材料。いつまでこんな非クレバーなプレーをするのか。ベテランの域に入ろうとする選手がコレでは困る。

香川 真司 5.5
足元の技術が武器のひとつである彼にとって、今日のピッチは不満だらけだろう。後半17分のアウトにかけたダイレクトシュートは、良いアイデアだった。

FW
レオ・セアラ 5.0 (85分OUT)
前線でボールを収めようと奮闘してくれたが、数でも負けており難しい状況だった。結局はサイドに流れていたが、彼は中にいてこそ相手の脅威になるのである。サイドでボールを受けても、何もできなかったブルーノ・メンデスを思い出してしまった。

交代出場
上門 知樹 3.5 (HT IN/71分 退場)
言い訳の余地はないだろう。危険なプレーで相手選手を怪我させてしまうところであり、チームに対しては反撃の機運をくじく結果をもたらした。

加藤 陸次樹 5.0 (59分IN)
まともに攻撃参加できる前に上門が退場してしまい、得意なプレーの見せ場はなかった。

進藤 亮佑 5.0(75分IN)
特に目立つプレーもなく、与えられたタスクはこなした。

ジョルディ・クルークス 5.0(75分IN)
やはり守備の意識が低いのは気になるが、ビハインドの状況での投入であり、それは考慮すべきだろう。ただし彼のクロスの質には、可能性が感じられる。なんとか彼を上手くチームにフィットさせられないものか。

北野 颯太 ー (85分IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 4.5
開始早々の為田のイエロー、そして後半投入した上門のレッドと、彼としてもプランが狂ったことだろう。とはいえ、相性の良いチームには勝って、相性の悪いチームにはきっちり負ける、小菊監督らしい敗戦劇となった。ただ彼なりに、何やら模索している雰囲気は感じられた。今季は1チームしか降格しないのだから、もう割り切って色々試したほうが良いと思う。


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