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【セレッソ】 vs 名古屋グランパス(2023年J1リーグ第16節)

 今日のセレッソ大阪は、アウェイで名古屋グランパスと対戦。昨日までの大雨は過ぎ去り、快晴の中での90分となった。
 そんな今節のセレッソのスタメンは、下記公式Twitterの通り。右サイドがクルークスからカピシャーバに変わった以外は、前節と同じ顔ぶれである。

 試合は、開始早々に先制するも、前半のうちに3失点と逆転され、そのまま1-3で敗北を喫している。

名古屋グランパス 3-1 C大阪

 立ち上がりは、珍しくセレッソがボールを支配する展開。ただし双方とも、相手にボールを持たせて奪ってカウンターという形が得意なチームのため、この入りはどちらがプラン通りだったのか、微妙なところだ。

 とはいえ、先制したのはセレッソ。
 前半3分、右サイドでボールを受けたMFカピシャーバがドリブルでグランパスPA内に侵入。しかしボールが足から離れたことでカットされ、シュートには持ち込めなかったが、こぼれ球をペナルティアーク付近からSB山中がダイレクトでシュート。
 これは一旦、グランパスDF中谷に弾かれたが、ボールはまだPA内にいたカピシャーバのもとへ転がり、ワントラップの後で左足を振り抜いて、名古屋ゴールへ沈める先制点となった。
 カピシャーバにとっては、嬉しいJリーグ初ゴールである。

 名古屋としては開始早々の失点でプランが狂ったこともあってか、その後は積極的にボールを保持し、非保持の場面ではプレスの強度を上げ、セレッソに圧を加えてきた。特に間のスペースを狙ったプレーでセレッソのゴールを脅かし始め、20分にはFWマテウスの縦パスを起点に、最後はMF和泉の左足シュートで同点。

 ここからセレッソは、ガタガタと音を立てて崩れていく。今日はDAZN観戦だったが、なぜこれほどピッチに立っている選手たちが試合に集中しないのか、まったく理由が分からなくて困惑しながら観ていた。
 そして案の定、先ほどの失点からわずか10分後、コーナーキックにニアで名古屋DF中谷にどフリーで先に触られ、最後はDF丸山に押し込まれて、あっという間にグランパスが逆転。

 さらにその10分後にも、MF鈴木からのパスを為田が不用意に奪われ、FWマテウスが電光石火のカウンターでドリブルシュートを放ち、セレッソゴールへボールを突き刺す。

 FWマテウスの3得点すべてにからむ活躍で、先制したはずのセレッソは前半のうちに2点ビハインドとなってしまった。

 それにしても、1失点目のSB山中の軽い守備、2失点目のコーナーキックの際のゴール前をぽっかり空けるポジショニング、そして3失点目の為す術なくFWマテウスにシュートを許したCB鳥海の拙い対応など、目を覆うばかりの惨状だ。
 2失点目のコーナーキックでは、ニアに立っていたSB山中が何故かさらにニア側へ走り出し、その結果ボールが頭上を超えていくのを眺めている。ジャンプして触ろうともしていない。
 3失点目では、CB鳥海が背後の名古屋FWユンカーを気にして、ドリブルしているFWマテウスにアタックせずゴール前まで侵入を許している。ユンカーにはCB進藤が対応できていたので、鳥海はまずマテウスに当たるべきだろう。
 驚くほど稚拙な対応のオンパレードである。

 さて小菊監督も怒り心頭だったのか、ハーフタイムで一気に3人替え。
 SB山中→舩木、MF為田→中原、そして何よりGKキム・ジンヒョン→ヤン・ハンビン。GKの交代が、パフォーマンスによるものなのかジンヒョンが負傷したのかは実のところは不明だが、少なくとも前者の要素がゼロということはないだろう。
 ちなみにMF中原が右サイドに入ったため、カピシャーバは左サイドにポジション変更しての後半だった。
 さらに後半7分には、MF鈴木徳真を下げて、喜田陽を投入。ここまでですでに交代カード4枚を使うという思い切った采配だ。小菊監督の怒りが目に見えるようである。

 そしてその後半は、グランパスがプレスの強度を落とし、パスコースを消す形に切り替えたことで、ポゼッションとしてはセレッソが上回った。ただこれは名古屋の狙い通りの形であり、セレッソとしてはほとんど決定機は作れず。ボールをグランパス陣内まで運べるので、悪くない位置からのフリーキックなどはあったが、決めきれることなくタイムアップを迎えた。

 何というか、なぜこれほど試合中に選手の気持ちが切れるのか、まったく理解できないゲームだった。スタメン選手たちの集中力の欠如は、本当に頭をかしげるレベルだ。
 クリーンシートで3連勝を飾っていたので、何か勘違いを起こしていたとしか説明がつかない。上位チーム相手に、こんな気の抜けたプレーで勝ち点3を掴めるはずがない。
 パススピードは笑ってしまうほど遅く、速いパスだと受け手がトラップミス、自陣ゴール前の守備でもボールウォッチャーになり、プレーが止まる度に気持ちも切らす。
 前半の45分間は、いったい何だったのだろうか。

 次節は首位・ヴィッセル神戸である。絶対にこんな事は書きたくないのだが、勝ち点を掴むのは絶望的だろう。
 1週間のあいだに、一縷の望みを持って、小菊監督がチームを立て直してくれることを祈るのみだ。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 4.0 (HT OUT)
序盤は惚れ惚れするようなミドルレンジのパスをビシバシ通していたが、途中から急激にキックの精度が悪化。審判に必要以上の抗議を行って、味方の士気の低下も招いた。

DF
毎熊 晟矢 5.0
前半はともかく、後半は手詰まり感からか、強引にドリブルを仕掛けてボールをロストするシーンが複数回。最後のホイッスルがなるまで、クレバーなプレーを望みたい。

進藤 亮佑 6.0
今日のDF陣で唯一の及第点だろう。上手くユンカーを消していたし、ボールを前へ運ぶ気持ちも見えた。

鳥海 晃司 4.5
すでに述べた通り、3失点目のFWマテウスのドリブルへの対応は酷いものだった。この失点シーン以外は悪くないパフォーマンスだったので、余計に残念だ。

山中 亮輔 4.5 (HT OUT)
守備は軽く、攻撃でもグランパスの脅威になっていなかった。

MF
カピシャーバ 6.0 (72分 OUT)
先制ゴールは奪ったが、トラップミスや判断ミスもあり、手放しで称賛できないのが本音のところだ。

香川 真司 6.0
中盤で抜群のキープ力を見せ、気の利いたポジショニングも光った。

鈴木 徳真 4.5 (53分OUT)
パススピードの遅さだけが悪目立ちしたプレーだった。

為田 大貴 4.0 (HT OUT)
雑なプレーとトラップミスが散見。上手くフリーな状態でGKからミドルレンジのパスが届いても、本来ならボールを収めてターンしてグランパス陣内を脅かすはずが、気の抜けたトラップでボールが離れて相手にボールが渡るなど、チームからリズムも勢いも奪っていた。

FW
レオ・セアラ 5.5
最後まで気を吐いたが、ゴールには遠かった。FKでもゴールを狙ったが、惜しくも枠外に終わってしまった。

奥埜 博亮 5.5
彼にしては全体的に散漫な印象だった。

交代出場
ヤン・ハンビン 5.5 (HT IN)
誰もが驚いた後半スタートからの出場。予想より上々の出来で、そつなくこなしたといえる。

舩木 翔 4.5 (HT IN)
2点ビハインドの状況で投入されたにしては、バックパス等が多く、無難なプレーに終止した。

中原 輝 5.0 (HT IN)
後半の立ち上がりは彼にボールを集めていたので存在感があったが、徐々に相手に与える脅威がフェードアウトしていった。

喜田 陽 4.5 (53分IN)
悪いプレーはほぼなかったと思うが、良いプレーも見られず。単に味方間でボールを仲介しただけのプレーばかりだった。

上門 知樹 4.5 (72分IN)
ピッチに入った直後、中原からのクロスがファーサイドまで流れてきたとき、きちんと集中して折り返して欲しかった。その他、テクニカルなフェイント等は良かったものの、シュートよりパスを選択するなど、やや消極的なプレーも目立った。

監督
小菊 昭雄 5.5
いつもより交代の決断が早く、その内容も物議を醸し出すかもしれないが、個人的には気持ちの入っていない選手を下げるのは、懲罰的な意味だったとしても「有り」だと思っているので、今日の彼の采配は肯定的に捉えている。


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