本ページはアフィリエイトによる収益を得ています

【セレッソ】 vs 川崎フロンターレ(2024年J1リーグ第23節)

 今日のセレッソ大阪は、アウェイで川崎フロンターレと対戦。
 スタメンは下記公式Xの通りで、右SBの奥田が復帰し、ヴィトール・ブエノと登里がベンチに入っている。

 ゲームは、前半にフロンターレに先制を許すも後半に追いついて、1-1のドローに終わっている。

川崎フロンターレ 1-1 C大阪

 前半3分にいきなり川崎に決定機。
 フロンターレ陣地右サイドから左奥へのロングパスに対し、川崎FWマルシーニョがSB奥田に競り勝って突破し、ど真ん中へ走り込んできたMF脇坂へラストパス。脇坂はワントラップからシュートを放ったが、GKキム・ジンヒョンが手に当ててボールはクロスバーへ。
 セレッソとしては事なきを得たが、SB奥田のプレーはあまりにも軽すぎた。

 10分には、フロンターレ陣内でセレッソがフリーキックを獲得し、ルーカス・フェルナンデスの蹴ったボールに田中駿汰が頭で合わせるも、川崎GKチョン・ソンリョンに弾かれる。

 この辺りまでは、立ち上がりから割と上下動の激しいゲームが続いていたが、15分に差し掛かる頃からはジワジワと川崎がセレッソを締め上げていく展開になっていった。
 そもそもセレッソは毎試合の如くビルドアップが機能せず、それをスカウティングしているであろう川崎は深い位置まではプレスに行かず、間延びしない陣形をキープしていた。
 そしてセレッソはいつもの通り、最後はロングボールを前線に入れて回収されるというお決まりのパターン。しかもこの瞬間は逆にセレッソの陣形は間延びした状態で、カウンターも受けやすいという悪循環。

 ただし序盤から両チームともパスミスの目立った試合で、33分にはフロンターレの縦パスをカットしたCB西尾からMF田中駿汰がボールを受け、すぐさま裏のスペースへ走るFW上門へ縦パスを入れて、決定機を迎えるシーンもあった。
 しかしこのシーンでは上門の方が相手DFより前へ出ていたが、追いつかれてシュートまで持ち込めずに終わっている。

 そしてその直後に失点。
 中盤でボールを受けたフロンターレMF脇坂が、裏のスペースへ絶妙なスルーパス。これをFWマルシーニョが決め切った先制ゴールだった。

 こうして1点ビハインドで折り返した後半、セレッソはスタートから上門に替えて柴山を投入。前線で起点になれず、リンクマンとしての動きも少なく、レオ・セアラとのプレス連携も機能しなかった上門を下げるのは、妥当な判断であった。
 ちなみに前半の終わり頃から足を気にしていたフロンターレMF大島僚太も、ハーフタイムで交代。他チームながら、怪我でないことを祈りたい。

 そしてセレッソは後半頭から、奥田を偽SBに仕立てた4-3-3に変更。これは功を奏し、セレッソがボールを握って川崎ゴールを目指す時間が増えつつあった。
 ところが後半の早い時間帯に奥田はイエローカードを貰っていたからか、58分にMF平野と交代。
 ここからは主に3バックでボールを運ぶ展開に。

 さらに67分に奧埜を下げてヴィトール・ブエノを投入。小菊監督としてはかなり攻撃的なシステムに舵を切った形だ。
 その甲斐あってか、ここからはセレッソが立て続けに川崎ゴールを脅かす。70分には平野から裏へのパスにFWレオ・セアラが反応し、GKチョン・ソンリョンをかわした所まで持ち込んだが、川崎DF佐々木にクリアーされ、ゴールならず。
 その1分後には、高い位置を取り始めたCB西尾からPA付近にいた柴山に目の覚めるような縦パス。柴山は利き足の左にボールを置き直してシュートを放ったが、大きく枠を外す。

 しかし76分にようやくゴール。
 自陣でボールを持ったSB舩木が、降りてきたレオ・セアラに縦パス。レオ・セアラはワンタッチで叩いて、ボールは左サイドを駆け上がるカピシャーバへ。
 カピシャーバはこれをワントラップしてからグラウンダーのクロスを入れ、ニアに走り込んだヴィトール・ブエノが芸術的なタッチでゴールへ流し込む同点弾だった。

 カピシャーバのクロスは申し分ないし、それ以上にヴィトール・ブエノの技術は素晴らしい。
 ただその前に、降りていったレオ・セアラについて行って、ぽっかりとニアのスペースを空けてしまったフロンターレDF高井の動きがちょっと軽率だったともいえる。
 もしくはそのスペースを埋める選手がいないことこそ、今季のフロンターレがなかなか浮上できない要因の一つなのかとも感じた。

 ともかく、勢いに乗って数年ぶりの逆転勝利を掴みたいセレッソだったが、試合再開直後に途中出場のFW小林悠に追加点を許し、あっという間に再び1点ビハインドに。かと思われたが、VARの結果、それより前のプレーでボールがゴールラインを割っていたとの判定で、ノーゴール。

 そしてここからは概ねセレッソの時間帯。
 86分にはGKキム・ジンヒョンのパントキックのボールを、フロンターレDF高井が頭でGKへバックパス。しかしこれが短く、裏のスペースでカピシャーバが拾ってGKチョン・ソンリョンと1対1に近い形に。決定機だったが、GKチョン・ソンリョンに阻まれて勝ち越しゴールならず。

 さらに後半アディショナルタイムの94分には、カウンターで数的有利な3対2で川崎ゴールへ襲いかかる決定機。ボックス内でラストパスを受けた柴山はそのまま右足でシュートを打てば良いものを、ここでも利き足の左に持ち替えている間にボールを奪われ、またも好機逸脱。
 今節で一番のため息が漏れた場面だった。

 結局、試合はこのまま1-1で終了。
 前半はフロンターレのゲームだったといえるが、後半は偽SBや偽CBを駆使して平野と西尾が友好的な駒として機能し、川崎を押し込む時間帯が増えた試合だった。守備に不安は残るものの、同時にオフェンスでは「あとは決めるだけ」というチャンスは作り出せていた。
 加えてSB登里の復帰は、何より嬉しいニュースだ。
 今日の試合内容に明るい兆しが見えたとまでは言わないが、試合途中の修正で優位に立つような事はこれまでほとんどなかったので、その意味では例年通りの「失速」ではないシーズン終盤が迎えられるのではないかと、少しだけ希望を持ちえた今日のゲームだった。
 ちょっと楽観的かな?

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 6.5
ロングボールはあまり繋がらなかったが、複数のビッグセーブでチームを救った。

DF
奥田 勇斗 5.5 (59分 OUT)
失点シーンでのマルシーニョへの対応は痛恨。失点シーン以外でも裏抜けされており、守備力の向上は急務だろう。ただ偽SBとしての動きは及第点。

鳥海 晃司 5.5
判断を迷ったり、無謀な縦パスを入れてカットされるシーンが少なからず見受けられた。

西尾 隆矢 6.0
前節あたりからは試合終盤に新たなタスクを与えられることが多く、今節も高い位置で攻撃参加。重要なプレーヤーに育ってきたタイミングでまた五輪のためにチームを抜けられるのは痛いが、仕方ないのでオリンピックでの活躍を期待したい。

舩木 翔 5.0
もう毎試合とも例外なく前への推進力が乏しく、サイドでボールを受けても、ほとんどバックパスを選択。彼がボールを持っても、何も期待できない。

MF
田中 駿汰 6.0
現時点でセレッソの攻撃を指揮しているのは間違いなく彼であり、最後尾からロングボールで中盤を飛ばすのではなく、彼を経由して前へ運ぶシステムを構築するべきだろう。後半にチームの立ち位置を変えて、ビルドアップの場面で彼がボールに触れる回数が増えたことは、嬉しい兆候である。

奥埜 博亮 5.5 (68分 OUT)
悪くはないが、手放しで賞賛できるパフォーマンスではなかった。

ルーカス・フェルナンデス 5.5 (89分 OUT)
彼も悪くはなかったが、いつもほどの突破力がなかったことは事実。VARで取り消しにはなったが、小林悠にゴールネットを揺らされたのも、彼の球離れが悪くボールをロストしたことから始まっていた。

カピシャーバ 6.5
いつも述べているように、以前ほどの破壊力はないものの十分に相手の脅威になっており、今節もしっかり1アシスト。本文で触れた86分の決定機を決めていれば、今節のMOMだったが。

FW
上門 知樹 4.0 (HT OUT)
プレスは連携がとれておらず、レオ・セアラが落としたボールを拾う位置にもいない。前線で起点にはなれず、リンクマンにもならず、トラップは収まらず、22分のフリーキックの場面では信じられないほど大きく枠の上。褒めるところがない。

レオ・セアラ 6.0 (89分 OUT)
彼がいなければ今のセレッソは成り立たないし、本文で触れた通り今日の1点にも関与しているが、それでも彼にはゴールを期待したい。そのチャンスはあったはずだ。

交代出場
柴山 昌也 4.5 (HT IN)
上門に代わってリンクマンの役割を果たし、チームの攻撃を活性化させたが、それ以外はかなり厳しい。必ずといっていいほど最後は左足にボールを持ち替え、しかも左足でシュートを打っても枠を捉えられない。トラップミスも散見され、ことごとくチャンスを潰した。まずは右足シュートやトラップの個人練習に励んではいかがか。

平野 佑一 5.5 (59分 IN)
終盤は田中に代わってゲームを組み立て、効果的なパスも少なくなかった。

ヴィトール・ブエノ 6.5 (68分 IN)
驚くほど華麗なタッチでのゴール。守備はともかく、彼が前目の位置にいると、相手にとっては脅威だろう。あと、勝ち越しゴールでもないのに、得点後にゴール裏に走っていってゲームを再開しない彼の行為は、ちょっと?だった。

為田 大貴 ー (89分 IN)
出場時間が短く採点なし。

渡邉 りょう ー (89分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 6.0
いつも彼を酷評することが多いが、今節は本文でも述べた通り、きちんとゲーム途中でチームを修正できており、概ね不満はない。今日勝てなかったのは、さすがに選手に非があるだろう。


↓ コメントはこちらへ ↓

タイトルとURLをコピーしました