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【セレッソ】 vs サンフレッチェ広島(2022年J1リーグ第17節)

 国際Aマッチの中断期間を終え、ようやくリーグ戦が再開。セレッソ大阪は、アウェイでサンフレッチェ広島との対戦だった。
 スタメンは下記公式Twitter の通り。丸橋、山中という左SB二人が揃って故障中のため、CBの西尾がSBへ。代わりに鳥海がCBの一角に入ったメンバーである。

 試合は、後半にセレッソが先制するも、逆転されて 1-2 という結果に終わっている。

サンフレッチェ広島 2-1 C大阪

 序盤は、両チームとも相手を自由にプレーさせない締まった立ち上がり。しかし徐々にサンフレッチェがセレッソを押し込む展開となり、特に30分を過ぎた辺りからは完全に広島がゲームを支配していた。
 事実、前半のセレッソのシュートはたった1本。33分にFWブルーノ・メンデスがPA内で右足を振り抜いて、広島GK大迫にファインセーブで防がれたシュートだけだった。

 ただ、個人的に前半で最も得点の匂いがしたのは、24分のセットプレーの場面だった。
 サンフレッチェ陣内の左サイドからのフリーキックで、ゴールは直接狙えない距離だが、角度的にも誰かが頭で触れば得点の可能性が低くない位置だった。
 ここでMF原川の蹴ったボールはファーサイドに流れ、CB鳥海が惜しくも触れずそのままゴールラインを割ってしまったが、ここで頭で折り返すことが出来ていれば小さくないチャンスになっていたはずである。


 いずれにしても前半は両チームともスコアレスで折り返し。
 そして後半53分に先制したのはセレッソ。左サイドでボールを受けたMF為田がクロスを入れ、FWブルーノ・メンデスが頭で合わせたゴールだった。
 ニアに走り込んでヘディングを決めたブルーノ・メンデスの動きは、ストライカーらしい動きと決定力がもたらした、テクニカルなゴールだったといえる。


 しかしその後もサンフレッチェがボールを握る展開は変わらず。試合開始直後から執拗に左SB西尾の背後を狙い、ワンタッチパスを多用する広島の攻撃は功を奏しており、セレッソとしては耐えながら時計の針を進めるも、失点は時間の問題かとも感じられた。
 そして76分に小菊監督が動く。MF為田に代えてDF進藤を投入し、4バックから3バックに変更。逃げ切りを図った交代である。

 ところがその直後、広島MF野津田にミドルシュートをぶち込まれ、試合は振り出しに。逃げ切りを狙った交代の後に同点に追いつかれるという、実にタイミングの悪い失点だった。


 さらに広島の勢いは止まらず、何度も猛攻を受ける中で82分、PA内でCBヨニッチが広島FWドウグラス・ヴィエイラを倒してしまいPKを献上。
 これをヴィエイラ本人に落ち着いて決められ、逆転を許す結果となった。

 追う展開となったセレッソは85分、CB鳥海に代えてMFジェアン・パトリッキを投入して前線の人数を増やすも、追加点は奪えずに試合終了。1-2 での逆転負けとなった。


 リーグ戦中断前、そして中断期間中のルヴァン杯でも連勝を続けてきたセレッソだったが、下位チーム相手だったからという一抹の不安を吹き飛ばせず、中上位相手では実力負けするという現実を突きつけられた一戦だったといえる。
 特に今日のゲームは、勝ち点3を奪えれば名実ともに上位争いに食い込めると考えていただけに、悔しいというよりは「ま、やっぱりそうですよねー」と言うしかない残念な敗北である。
 ただそれはそれで現実と向き合い、今後に活かしていくしかないだろう。
 FW清武が降りてきてボールを触るときはMF奥埜が上がって前線を数的不利にさせない連動は徹底されていたし、今節も先制点を奪ったのはセレッソだった。上位チームに通用するフットボールかどうかはさておき、実力以上のものは出せないかもしれないが、実力以下にもならない形は出来ているとも思える。
 少なくとも残留争いに巻き込まれる心配は皆無といって良いので、今季は分不相応な高望みせずに1つでも上の順位でのフィニッシュを狙い、可能性があるのならACL出場を目指していくしかないだろう。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 4.5
リーグ戦中断前の2試合でもありえないミスがあったが、今節も前半18分に広島FWジュニオール・サントスへのパスかのようなゴールキックがあり、ピンチを誘発。全体的にフィードの精度が悪く、またそれほど難しくないハイボールをファンブルするなど、不安定なプレーが目立った。

DF
松田 陸 4.5
特に攻撃面で存在感が薄く、1つ前の毎熊とともに右サイドはほとんどオフェンスで機能していなかった。

鳥海 晃司 4.5 (85分OUT)
前半にイエローカードを貰ったシーンでは、完全に身体で負けていて、CBとしては不安視せざるをえないプレーだった。現状ではベンチスタートが適切だろう。奮闘を期待したい。

マテイ・ヨニッチ 4.5
PKを与えたシーンは不用意だったかもしれないが、その前には散々サンフレッチェのボールを跳ね返していた。攻められる時間と回数が多すぎた展開が招いたPK献上である。

西尾 隆矢 4.5
純粋にSBとして評価するのか、本来はCBであることを考慮するかで、採点は大きく変わってくる。いずれにしもてSBとしては未熟な選手であることは間違いない。舩木はベンチにも入っていなかったが、彼も怪我なのだろうか?

MF
毎熊 晟矢 4.5
ここ数試合、アタッカーとして燦然と輝いた彼が、守備でしか存在感を示せなかったという、皮肉なゲームとなってしまった。ただ後半開始直後、MF為田のクロスをファーサイドで頭で合わせるも、浮かせて枠外にしてしまった決定機は、決めなければならないチャンスだった。

奥埜 博亮 5.5
どこにでも顔を出し、攻守にわたって存在感を出す彼らしい動きだった。チームを勝たせることはできなかったが、彼のパフォーマンスは決して悪くなかった。

原川 力 4.5
攻撃の組み立ては精彩を欠き、また凡ミスも散見されるなど、今ひとつな内容だった。

為田 大貴 5.5 (76分OUT)
彼の不敗神話も今節で終了。ただし1アシストを残し、また後半開始早々に毎熊が外した決定機もアシスト未遂であり、現時点で彼がスタメンを飾るのに不満はないだけのプレーだったと思う。

FW
清武 弘嗣 5.5
小菊監督にとって、彼の使い方が定まってきたのかなと感じる印象。勝利には結びつかなかったが、今日のようなスタイルで彼にプレーさせるのは、悪い起用方法ではないと思う。

ブルーノ・メンデス 5.5 (68分OUT)
素晴らしいヘディング・シュートで先制を飾ってくれたが、それ以外の点では手放しで喜べるパフォーマンスではなかった。彼がポストプレーでもう少しボールを収めてくれると、チームとして楽になるのだが。


交代出場
加藤 陸次樹  4.5 (68分IN)
1点リードの場面で投入されたが、そのアドバンテージを活かすことはできなかった。

進藤 亮佑  5.0 (76分IN)
終盤のセットプレーでの得点に期待したが、叶わず。

ジェアン・パトリッキ ー (85分IN)
出場時間が短く採点なし。


監督
小菊 昭雄 4.5
内容でも得点でも、サンフレッチェに上回られてしまった。決して何もかもが悪かった訳ではないが、チームとして広島のほうが強かったことは事実。ただ彼の手腕に不安はあるものの、悲観的にあるような順位ではないことも事実であり、今後チームに何を落とし込んでいくのか、注目して行きたい。

 

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