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【セレッソ】 vs 鹿島アントラーズ(2024年J1リーグ第2節)

 今日のセレッソ大阪は、アウェイで鹿島アントラーズと対戦。
 スタメンは下記公式X(旧:Twitter)の通り。怪我か何かでDF鳥海がベンチ外となっており、西尾がスタメン出場。他は前節と変わらない顔ぶれである。

 ゲームは後半にセレッソが先制するも、終盤に追いつかれ、1-1のドローに終わっている。

鹿島アントラーズ 1-1 C大阪

 セレッソは今節も4-3-3。攻撃時は前節以上にSB登里が中に入ってボランチ化し、偽サイドバックぶりに拍車がかかっていた。

 立ち上がりは概ね互角といった内容。しかし10分あたりからは徐々にセレッソのペースに。
 中を使う、縦パスを入れるという優先順位がチームとして意思統一され、試合を優勢に進める一因となっていた。

 初めのビッグチャンスは16分。
 アントラーズのコーナーキックからロングカウンターを仕掛け、中央やや左でボールを持ち上がって行ったFWレオ・セアラが、中央レーンを並走するMF香川へパス。しかしボールが少し後ろへ入ってしまったことから香川はボールを収められず、ファーサイドを駆け上がってきたFWルーカス・フェルナンデスが拾ってシュートを放つも、GKに弾かれ先制ならず。
 レオ・セアラ→香川のパスがズレなければ数的有利で相手ゴールを急襲できた惜しいシーンだったが、そもそもアントラーズのCK時のリスク管理はどうなっているのかと、少し頭を傾げたくなる場面でもあった。
 また23分には、MF香川のクロスにFWカピシャーバがボックス内で胸トラップからシュート。
 しかしここも鹿島GK早川が立ちはだかり、驚異的な反応でセーブ。

 立ち上がりこそアントラーズの寄せの速さに苦労したセレッソだったが、この辺りの時間帯では最終ラインの押し上げも速く、連携も高度で、安心して見ていられる雰囲気だった。
 ところが36分にアクシデント。FWルーカス・フェルナンデスが脚を痛めたか何かで負傷交代。
 FWカピシャーバが右サイドにコンバートし、左サイドには為田が入ることになった。

 このまま前半はスコアが動かず、0-0で後半へ折り返し。

 鹿島アントラーズは後半から、MF藤井に代えて、FW鈴木優磨を投入。
 今のセレッソのシステムの最大の弱点は、ボール非保持でのアンカー脇のスペースだろう。そして鈴木優磨は、そのスペースでボールを受けるのが得意なプレーヤーだ。
 結果、セレッソはアントラーズに高い位置で起点を作られ、前半のようにゲームを支配できない後半となった。

 しかしセレッソも、丁寧なプレーと速い寄せを愚直に繰り返して、アントラーズに食い下がる。
 そして先制したのはセレッソ。自陣左サイドでボールを受けたSB登里が、前を走る為田へ絶妙な縦パス。為田はスピードを落とさずボールを受けPA内に入った辺りでゴール前のFWレオ・セアラへラストパス。
 ボールはやや後ろへ入ったが、レオ・セアラが巧みに1トラップから左足を振り抜き、ゴール右隅へボールを沈めた得点だった。
 正直、為田のプレーだけ昨季までのセレッソの匂いがプンプンしていて違和感があったが、彼らしいスプリントで結果を残したともいえる。 

 さらにその直後の60分、再び左から今度はMF奧埜がクロスを上げ、中でほぼフリーのレオ・セアラが頭で合わせたが、これは惜しくも枠外。
 ここはFWなら決めなければならない決定機だった。

 すると69分にまたもアクシデント。今度はレオ・セアラが脚を痛め、一旦ピッチの外へ。
 初めは交代のサインが出ていて、FW上門がピッチへ入る準備を整えていたが、結局レオ・セアラがプレー続行。
 このため上門はMF奧埜と交代。
 ところがその直後にレオ・セアラがピッチ上で倒れ込み、結局ベンチに下がる結果に。
 タンカで運ばれるレオ・セアラとSB登里に代わって、山下と奥田がピッチへ。5-4-1で逃げ切る狙いだが、ほんの数分間で残り2枚の交代カードを使い切らなければならなくなったセレッソとしては、少し不運といえる展開だった。

 守りに入るセレッソに対してアントラーズは猛攻を仕掛け、76分にはコーナーキック3連発もあったが、GKキム・ジンヒョンを中心にゴールは死守。
 しかし後ろが重くなったことで84分に自陣でファールを犯し、このフリーキックを鹿島DF植田に頭で押し込まれて、ゲームは振り出し。

 試合はこのまま1-1で終了。セレッソとしては前節に続き、逃げ切りに失敗した形となった。

 試合結果はともかく、前半はアントラーズを圧倒したセレッソ。
 もはや登里と毎熊、田中といったプレーヤー抜きには再現できないシステムだが、その登里をベンチへ下げた采配は、少し狙いが分からなかった。3枚目の交代カードであり、体力的も登里はフル出場が難しいという判断だったのだろうか。
 いずれにしても彼がピッチにいない場合のシステムの完成度が喫緊の課題といえる、今のセレッソである。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 6.0
失点シーンはノーチャンスだろう。一度ビッグセーブもあり、チームを助けた。

DF
毎熊 晟矢 6.5
前節同様、圧倒的なパフォーマンス。知的なポジショニングとランニング、機を見た攻撃参加は素晴らしかった。

西尾 隆矢 6.0
久しぶりのスタメン出場だが、安定したプレーを見せてくれた。このポテンシャルの選手がベンチスタートとは、ちょっと勿体無いとも感じる。

舩木 翔 6.0
前線に続いてCBでの出場だが、SBより適しているとも感じるがどうだろうか。両ポジションこなせるとなると、監督としても起用しやすいだろう。

登里 享平 6.5 (76分 OUT)
前節では彼のボランチ化は「功罪あった」と記したが、今節はすでに完成の域に達していて、圧巻の働きだった。現時点では最も代えの効かない選手である。繰り返すが、彼を下げた意図が分からない。

MF
田中 駿汰 6.0
ミスも少なく、良い意味でシンプルなプレーがチームを後押しした。勝利を掴めなかったことだけが残念。

香川 真司 5.5
彼のポテンシャルを考えると、どうしてももう一段上のプレーを期待してしまう。

奥埜 博亮 6.0 (72分 OUT)
相変わらず気の利いたポジショニングと動きが光った。72分という時間帯に、彼を上門と交代させた意図もよく分からず。

FW
ルーカス・フェルナンデス 6.0 (39分 OUT)
前半のうちに無念の負傷交代。彼が現セレッソの大いなる武器であることは疑いの余地もないので、今は軽傷であることを祈りたい。

レオ・セアラ 6.0 (76分 OUT)
今季初得点ながら、あと1〜2点とれた決定機もあり、本文で触れたロングカウンターの場面での香川へのパスの精度も残念だった。さらに足の負傷で外に出るも一旦ピッチへ戻ったことで、交代カードを浪費してしまい、ゲームを難しくしてしまった。

カピシャーバ 6.0
サイドアタッカーとして頼りになる反面、終盤に足が重くなり、前節に続いて今節も失点に関与。

交代出場
為田 大貴 6.5 (39分 IN)
怒涛のスプリントからアシスト。彼らしいプレーに鳥肌が立った。

上門 知樹 5.5 (72分 IN)
5-4-1の1トップであり、ほとんどボールに絡む機会がなかった。

山下 達也 ー (76分 IN)
出場時間が短く採点なし。

奥田 勇斗 ー (76分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 5.0
二人も負傷交代となるなど、ゲームの進め方も交代カードの切り方も難しい選択を迫られた。また前半の内容は、きちんと仕込みの跡も感じられた。ただ2戦続けて勝てた試合を落としたのも事実だろう。この先、先制されたゲームで巻き返しが計れるのか、真価はそこで判断できる。


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