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【サッカー日本代表】 vs ドイツ(2022年ワールド杯グループE第1節)

 ついに開幕した4年に一度の世界最大級スポーツイベント、FIFAワールドカップ2022カタール大会。今回は初めて中東での開催である。
 日本代表は緒戦でドイツと対戦し、PKで先制されるも後半に2得点を奪い、まさかの逆転勝利を成し遂げた。
 旧ブログでもセレッソ以外の試合で選手採点をしたことはなかったし、するつもりもなかったのだが、一夜明けても興奮冷めやらないので、ちょっと書き残してみたい。
 スタメンは下記Twitterの通り。

 コンディション等の関係だろうが、冨安と守田がベンチスタート。それ以外は概ね事前予想通りのスタメンとなっている。

日本代表 2-1 ドイツ代表

 日本は 4-2-3-1 でのスタートだったが、ドイツは攻撃時は 3-2-5 のような形となり、日本の4バックは数的不利な状況を作られ、前半はまともにボールを持てない時間帯が続いた。しかもドイツMFミュラーがフリーダムに下へサイドへと降りてくるため、日本の2列目以下は混乱。たまらず両サイドの久保と伊東純也が下がってしまうと、ボールを奪っても前に出しどころがないという悪循環に陥っていた。
 前半の早い時間帯に一度、右サイドから伊東純也がアーリークロスを入れ、FW前田大然がドイツのゴールネットを揺らしたが、オフサイドでノーゴール。これは日本の狙い通りだったし、またこれしかないとも言えるオフェンス・パターンであった。

 失点は、GK権田がPKを与えたことによるが、これは権田云々よりもあれだけサイドを空けてドフリーでボールを持たれた時点でアウトだろう。

 しかし前半に生まれた得点は、このドイツのPK1点のみ。
 ボール保持率は圧倒的に日本が低く、約20%という有り様だったが、ドイツも肝心な場面でシュートが枠に飛ばず、ふかすシーンが散見された。
 内容はともかく、日本としては追加点を与えなかったことで、少なからず後半に望みをつなげたし、結果的にも1失点で前半を抑えたのは大きかったといえる。

 

 そして後半、珍しく森保監督が早めに手を打ってきた。久保を下げて冨安を入れ、3バックにシステム変更したのである。
 さらにDF長友やMF田中碧もベンチに下げて、続々と攻撃的プレーヤーを投入。三笘・浅野・南野・堂安とアタッカーが並び、スタメン伊東純也とボランチに下がった鎌田も合わせると、6人の点取り屋が顔を揃える超攻撃型の布陣。
 とにかく点をとれという森保監督の意図は明確で、逆にドイツの攻撃は3バック+遠藤航の4人で守れ、少なくとも両サイドの伊藤と三笘が下がってくるまでは耐えろという、かなり思い切ったシステム変更だった。

 ところがこれが功を奏した。
 75分、左サイドで三笘がボールをキープし、前方へ斜めに走り込んだ南野へパス。南野は角度のないスペースから折り返してボールを入れ、そこにタイミング良く走り込んで来たのが浅野。しかし彼のニアでGKノイアーが弾いたものの、そのこぼれ球を堂安が押し込んで、試合を振り出しに戻した。
 途中出場の選手がつないで獲った同点弾だった。

 さらに歓喜の逆転劇はその数分後。
 フリーキックでドイツDF裏に入れたボールを浅野が巧みにトラップして前を向き、ドイツPA内に侵入。ゴール右側に追いやられながらも浅野は、ほとんど角度のない場所からGKノイアーのニアをぶち抜くとんでもないゴールを決め、この時間帯に日本が逆転に成功。
 この浅野の得点は、何度観ても鳥肌の立つ素晴らしいゴラッソだった。

 

試合はこのまま、2-1で終了。
 先制された後は、せめて勝ち点1でも拾ってくれと願いながらTVを観ていたが、まさかドイツ相手にWカップ日本代表史上初の逆転勝利を飾るとは思っていなかった。
 言うまでもなく、まだまだ気の抜けないヒリヒリする試合が続くが、本当にこれ以上ない形で初戦を終えられたと感じている。

選手採点(日本代表のみ)

GK
権田 修一 7.0
後半のドイツのシュートをことごとくストップし、神がかったセービングを見せてくれた。

DF
酒井 宏樹 6.0 (74分OUT)
後半の決定機をふかしたシーンは残念だったが、対人の強さは流石だった。

板倉 滉 6.5
冨安のベンチスタートという不安を払拭するチームへの貢献度は、間違いなく及第点を超えていた。

吉田 麻也 6.0
前半、ベテランらしからぬ目立たないミスもあったが、後半の3バックでの統率力はお見事。

長友 佑都 6.0 (57分OUT)
彼にとっては厳しい初戦だったが、何とか左サイドを破綻させずに守ったのではないだろうか。

MF
遠藤 航 7.0
普通に考えると今の日本代表の最重要プレーヤーは彼と冨安だと思うが、そのデュエル王の実力を遺憾なく発揮。彼がいたからこそ森保監督は後半に思い切ったシステム変更に舵を切れただろうし、その後半の彼の奮闘ぶりは眼を見張るものがあった。

田中 碧 5.5 (71分OUT)
守備に忙殺される時間が長く、彼にとっては少し不運ともいえる初戦になったか。

伊東 純也 6.5
前半の数少ないチャンスに存在感を見せ、ディフェンスでも献身性が光った。

鎌田 大地 6.5
序盤のボールが回ってこない彼を観て、この試合でスタメンに出すのは勿体ないと感じていたが、久保と入れ替わってサイドに位置したり、後半は中盤に下がるなど、マルチな能力を披露。

久保 建英 5.5 (HT OUT)
ポジショニングが悪く、守備もチグハグ、さらにミュラーにかき回され、残念ながらほぼ良いトコ無しで終わってしまった。ただし今大会中に彼の能力が活きる場面は、必ず訪れるはずだ。

FW
前田 大然  6.0 (57分OUT)
飛び道具としてのスタメン起用だったが、あまりにもチャンスの数が少なすぎた。

 

交代出場
冨安 健洋 6.0 (HT IN)
対人の強さと状況判断の的確さ、クレバーな選択など、後半だけではあったが能力の高さが際立っていた。

浅野 拓磨 8.0 (57分IN)
全世界を驚かした渾身の一撃。この前後の流れとまったく関係のない理不尽なゴールこそ、彼の真骨頂だろう。

三笘 薫 7.0 (57分IN)
川崎フロンターレ時代、何度も他クラブの右サイドを惨殺した彼の武器が、ようやく世界レベルに到達してきた。彼がボールを持つと抑えられない期待感が湧いてくる。

堂安 律 7.5 (71分IN)
持ち前の嗅覚でゴール前に入り込み、値千金の同点ゴール。森保ジャパン始動時に象徴的なプレーヤーだった彼と南野が、この大舞台で仕事をしてくれた姿は、本当に嬉しかった。

南野 拓実 6.0 (74分IN)
Wカップが迫るにつれて不調に陥っていた彼だったが、この試合では堂安の得点をお膳立て。短い出場時間ながら、動きも良かった。

 

監督
森保 一 6.5
これまでの遅すぎる交代カードの使い方や修正力の低さは、いったい何だったのかと困惑してしまうほどの素早く的確な決断。冨安以外はシンプルに攻撃陣を次々と投入したに過ぎないが、結果として采配が当たっているだけに、称賛せざるを得ない。いつか何かのインタビューで「3バックならいつでもできる」と語っていたように記憶しているが、ハッタリではなかった。

 

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