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【セレッソ】 vs 東京ヴェルディ(2024年J1リーグ第3節)

 今日のセレッソ大阪は、今季J1に復帰した東京ヴェルディとホームで対戦。
 セレッソのメンバーは、カピシャーバと前節に負傷交代したルーカス・フェルナンデスがベンチ外。そして同じく前節負傷交代したレオ・セアラもベンチスタートとなっている。
 ということでスタメンは、前線3枚がごそっと入れ替わり。左から為田、上門、ジョルディ・クルークスという布陣だ。

 ゲームは、3試合連続でセレッソが先制し、今節も同点に追いつかれるも何とか追加点を奪って、2-1で今季初勝利を飾っている。

C大阪 2-1 東京V

 立ち上がりはヴェルディがセレッソの左サイドから押し込む展開。
 しかし前半5分にはセレッソがロングカウンターを見せ、クルークスのロングパスからFW上門が裏のスペースに抜け出しかけるファースト・チャンス。ここはヴェルディDF林の懸命な守備でシュートまでは持ち込めなかったが、13分には為田がボックス内からゴール右隅を狙ったコントロールショット。
 さらに19分には、右サイドをクルークスとSB毎熊で突破してクロスを入れ、中で上門がシュート。角度がなかったことで枠外にはなったが、20分にも為田のクロスに奧埜が中でワンタッチシュートを狙うなど、セレッソとしては相手PA内でフィニッシュできる攻撃を見せていた。

 そして先制シーンは、ハーフタイムの迫った41分。右サイドでボールを拾ったクルークスがボックス内まで運び、キックフェイントから柔らかいクロス。これをファーサイドに回ってフリーになっていた香川が頭で押し込む先制弾となった。

 上の動画ではカットされているが、右サイドのクルークスにボールが渡ったのは、相手と競りながらもロングボールを巧みにバックヘッドで流した奧埜のファインプレーがあったし、香川がフリーになったのも、大外から為田がするするとゴール前まで詰めてきたことで、相手を引き付けてスペースを空けたからである。
 今季のセレッソの長所の1つは、攻撃時にゴール前へ人数が揃っていることだろう。これは先制シーンに限らず、今節も目立っていた特徴だ。
 1-0で折り返した後半も、早々にヴェルディゴールへ攻め込んだ際、相手PA内に4〜5人は詰めている形だった。
 昨季までのセレッソの「攻撃的」という目標は口だけに終わったが、今季はまんざらでもないというのが、今のところの感想だ。

 しかし今節もまた追いつかれる。52分にセレッソの右サイドから抜け出され、ネットを揺らされたゴールだった。一度はオフサイドと判定されるも、VARでゴールが認められた失点だった。

 このシーンで気になるのは、得点を決めることになるFW木村をマークしていたCB西尾が、途中で追うのを諦めてジョギングで帰陣していることだ。オフサイドだとセルフジャッジしたのか、GKキム・ジンヒョンがクリアーすると踏んだのか、はたまた体力的にキツくてサボったのか。
 いずれにしても彼が全速で戻っていれば、GKジンヒョンの弾いたボールをヴェルディ木村がフリーでシュートすることはなかったはずだ。

 こういう時にいつも思い出すのは、元日本代表監督の岡田武史氏がよく口にしていた「勝負の神様は細部に宿る」という言葉だ。「あと一歩の寄せをおろそかにしたことで試合に負けるかもしれない」「あと1メートルのダッシュを怠ったことでワールド杯に行けなくなるかもしれない」というヤツである。
 残念ながらこのシーン、西尾は細部をおろそかにしたと言わざるを得ない。

岡田武史氏の話の件は、10年近く前にライターの清水英斗氏の書かれた記事がとても感慨深いので、最後にリンクを貼っておきます。

 さて試合に話を戻すと、64分にゲームの行方を大きく揺るがすレッドカードが出る。
 何ということもないシーンで、東京VのコーナーキックのボールをGKキム・ジンヒョンがキャッチし、パントキックしようとした際に前方にヴェルディDF稲見が入って、キックしたボールに当たったのである。
 これは警告に当たるプレーであり、すでに前半にイエローカードを提示されていた稲見は退場となった。
 相手チームながら、イエローを1枚貰っている選手としては、あまりにも不用意なプレーだった。

 一人多くなったセレッソは当然、攻め込む時間も増え、引いた相手をなかなか崩せないいつものグダグダ感が満載だったものの、試合終了間際の89分に、途中出場のFWレオ・セアラがヴェルディPA内で倒されPKを獲得。
 これをレオ・セアラが自ら決めて2-1となり、このまま試合は終了。

 セレッソは今季初勝利にして、今のところは無敗。
 前2試合とも悪くない内容で先制点も取っているにもかかわらず、勝ちきれないゲームが続いていたので、今日の勝利は意義深いものになったと思う。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 5.0
失点シーンは、思い切りよく飛び出してのクリアーは難しかったのだろうか。彼らしくない判断ミスだったと感じている。

DF
毎熊 晟矢 6.5
彼は1列前がルーカス・フェルナンデスでもクルークスでも、どちらと組んでも質の高い連携を見せる。これはやはり彼の能力の高さが一因なのだろう。

西尾 隆矢 4.5
本文で触れた失点シーン以外でも、序盤から危なっかしいプレーが散見された。率直なところ、これではスタメンは厳しい。

舩木 翔 5.0
1-1で迎えた終盤の83分、マークしたヴェルディ木村に前を向かれ、ファールで止めたシーンは頂けない。本職ではないにしても、西尾と同様これではCBは安心して任せられない。

登里 享平 6.0(94分 OUT)
今節も最大のキーマンだった。もっと高い採点をつけたいが、守備では不安が残り、終盤も危険な位置でファールを犯してフリーキックを与えていた。序盤から身長差を狙われていたことも考慮しての評価である。

MF
田中 駿汰 6.0
ビルドアップではボランチ位置に入る登里が目立ってしまうため、彼の存在感はやや薄れるが、アンカーとしての仕事は見事だった。他チームの采配をとやかく言うつもりはないが、彼をCBとして使うのはちょっと勿体なかったのでは?

香川 真司 6.5
上手くスペースへ入り込んでの今季初ゴール。やはり彼はあの辺にいるべき選手である。アンカーではない。

奥埜 博亮 6.0 (66分 OUT)
セカンドボールへの予測とマークに付いた相手選手への身体の当て方は、相変わらず見事と言うより他ない。もはや名人芸。

FW
ジョルディ・クルークス 6.5 (77分 OUT)
今季はルーカス・フェルナンデスにスタメンの座を奪われていたが、今節では先制点をアシストして結果を残した。守備への戻りも速く、今日のパフォーマンスは申し分なかった。

上門 知樹 5.0(66分 OUT)
レオ・セアラに比べるとどうしてもボールが収まらないため、物足りなさは残る。裏抜けのスピードも今ひとつで、現状では少し起用方法が難しい。

為田 大貴 5.5
左サイドを広く使い、スペースを広げていたが、特筆すべきプレーはあまりなかった。

交代出場
ヴィトール・ブエノ 5.5 (66分 IN)
まだその片鱗を見せたという程度で、他を圧倒するようなパフォーマンスではなかった。

レオ・セアラ 6.5 (66分 IN)
自ら獲得したPKを決めて決勝点。怪我さえなければ今季も二桁得点は可能性大。

柴山 昌也 ー (77分 IN)
出場時間が短く採点なし。

鳥海 晃司 ー (94分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
小菊 昭雄 6.0
相手に退場者が出るという幸運もあったが、今季無敗で毎試合点は奪えている。もっとも毎試合失点もしているので、手放しで賞賛はできないが、チームの練度や仕込みは過去3年の中では最高の域だろう。対策された場合の手腕も向上していることを切に願う。

下記が本文で触れた、清水英斗氏の感慨深い考察です。古い記事ですが内容は普遍的ですので、ぜひご覧ください。


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