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【セレッソ】 vs ガンバ大阪(2025年J1リーグ第1節)

 いよいよ開幕した、2025年明治安田生命J1リーグ。セレッソ大阪の緒戦は、アウェイでガンバ大阪との対決。いきなりの大阪ダービーだ。
 スタメンは下記公式Xの通り。新加入の畠中とラファエル・ハットンがスタメンに名を連ねている。

 試合は、5-2でセレッソが圧勝するという、少し予想外の結果に終わっている。

ガンバ大阪 2-5 C大阪

 セレッソは、試合開始直後からボールをつなぐフットボール。まるでパパス新監督がJリーグに向けて今季セレッソのサッカーを宣言するかのごとく、ボールを繋いでくる。
 そしてそれは早い時間帯に、先制点という形で奏功した。前半6分、後方からパスをつないでガンバゴールへ迫り、ボックス内で香川が足を引っ掛けられて倒れるも、こぼれ球を北野がコントロールショットでゴール隅へ沈め、早くも今シーズンJリーグ初ゴール。
 香川が倒れた際にPKの笛を吹かずに様子をみた主審にも感謝したい先制シーンだった。

 試合が終わってから振り返ってみると、セットプレーやショートカウンターではなく、狙った形でのビルドアップで先制点がもぎ取れたことは、非常に大きな意味があったと思う。

 さらに11分にも追加点のチャンス。ガンバPA内で北野からパスを受けた阪田がゴール隅へ右足シュート。しかしここはGK一森がファインセーブを披露して、得点ならず。

 この後から徐々にガンバにペースを握られ、18分にはガンバ山下のクロスにルーキー名和田が飛び込みボレーシュート。
 ここは枠外に終わったが、21分にはパスミスのボールを拾われて宇佐美が枠を捉えたシュート。これはGKキム・ジンヒョンが弾いたものの、23分にも山下にファーサイドへ切れるシュートを許している。
 しかしついに30分、ネタ・ラヴィが鋭い右脚のシュートを決めて、ゲームは振り出しに。
 セレッソもその直後の34分に決定機を迎えたが、ゴール真正面からのシュートを阪田がふかしてしまい、無情にもボールはバーの上へ。
 前半はこのまま1-1で終了。

 しかし後半開始早々に、セレッソが追加点。
 ガンバPA内でこぼれ球をまたも北野がシュート。これがネタ・ラヴィに当たってコースが変わり、ゴールへ吸い込まれる得点となった。

 さらに51分にセレッソが3点目。
 左サイドを駆け上がった阪田がボックス内へ侵入してシュート。これはガンバDF中谷がブロックしたが、ボールはここまで走り込んでいた香川の前へ。そして香川が落ち着いてガンバ選手たちの逆をついたシュートで追加点を飾る形となった。

 しかしガンバも53分に、黒川の抑えの効いた左脚シュートで追加点。敵ながら惚れ惚れするようなダイレクトシュートだった。
 これでスコアは1点差の2-3。

 しかし62分に、またもセレッソが突き放す。
 フリーキックの場面で、右サイドから北野の入れたボールに、田中駿太が頭で合わせて追加点。ボールがやや後ろへ入る、簡単なヘディングではなかったはずだが、上手くゴール隅へ沈めたテクニックと身体の強さが印象に残るシュートだった。

 この直後、ガンバは名和田に代えて倉田をピッチへ。さらに73分にも、ネタ・ラヴィと山下を下げて、イッサム・ジェバリと美藤を投入。
 セレッソもこのタイミングで初の交代カード。阪田と奥田に代えて、いずれも新加入のチアゴ・アンドラーデと中村拓海をピッチへ送り出した。さらに82分には、仙台から戻ってきた中島が、ラファエル・ハットンと交代で1トップの位置へ。
 そして2点リードで迎えたアディショナルタイムに、香川と北野に代わって喜田と西尾が入り、5バックの布陣を敷いて守りを強固に。

 しかし94分に、中島がダメおしの追加点。
 スローインからリスタートで、上手く裏に抜け出した中島がガンバPA内へ侵入。ここで相手二人をかわして、最後はGK一森の逆をつくテクニカルなシュート。
 試合を決定づける、仕上げの5点目となった。

 こうして試合は、5-2というセレッソの圧勝に終わった。
 新加入選手のほとんどがピッチへ立ち、ユース上がりの選手が結果を残し、ベテランもきちんと機能した、ほぼケチのつけようのないゲームだった。

 アーサー・パパス新監督のサッカーは、誰が見たってハイリスクである。それに見合ったリターンが得られたのが今節だが、当然ながら対策されてビルドアップのミスを突かれてのショートカウンターで失点するというパターンは、遠からず目にすることになるだろう。
 その際に、どれほど第二第三のシステムが構築されているのか。監督としては考えているはずなので、それをいかにして選手たちに落とし込んでいけるのか。パパス監督の手腕に期待するしかない。

 それともう1つ個人的に嬉しかったのは、ビルドアップの場面でGKまでボールを戻すシーンが、昨季までより格段に減ったことだ。明確な意図もなくバックパスを選択するフットボールは、実に観ていて面白くない。
 もしかしたら単に今節はGKまで戻す必要がなかったのかもしれないが、予想していた以上のクオリティでパス交換が行われていたので、開幕前よりは俄然、今季のセレッソが面白そうだと感じた初戦となった。

選手採点(セレッソのみ)

GK
キム・ジンヒョン 6.0
特筆すべき好プレーも珍プレーもなかった。

DF
奥田 勇斗 5.5 (73分 OUT)
攻守ともに強度が不足していた。他の選手が躍動していただけに、物足りなさが残った印象。

進藤 亮佑 6.5
勇気を持ったハイラインとビルドアップで勝利に貢献。目立ったシーンは多くなかったが、連携したディフェンスを見せてくれた。

畠中 槙之輔 6.5
前半に効果的な縦パスを何度か披露。少なくとも体躯の強いFWのいないガンバが相手では、何ら不足するもののないパフォーマンスだった。

舩木 翔 6.0
昨年までと比べると、明らかに後ろ向きのプレーが減った。それが今節だけではないことを祈りたい。

MF
ルーカス・フェルナンデス 6.5
序盤はやや影が薄かったが、皆に疲れが見え始めた時間帯から躍動。昨年と変わらず頼りになるサイドアタッカーであることを示した。

香川 真司 7.0 (91分 OUT)
やはり上手い。としか言いようがない。仲間にも相手にも影響を与えるプレーは、今日のピッチで一人だけ異彩を放っていた。相手が急ぎたい場面で、また仲間に余裕がない場面で、彼にボールが渡るだけで場が落ち着いてしまう。一昨年の彼が戻ってきた。

田中 駿汰 7.0
申し分のないパフォーマンスで、2年連続の開幕戦ゴール。香川との距離感も抜群だった。彼がセレッソに来てくれて、本当に良かった。

阪田 澪哉 6.0 (73分 OUT)
香川のゴールの起点になるなど、一定以上の存在感を示したが、本文で触れた前半34分の決定機は決めて欲しかった。

北野 颯太 7.5 (91分 OUT)
誰が観たって、今節のMOMだろう。2ゴール1アシストと大暴れ。また得点シーン以外でも気の利いたポジショニングで、大いにチームを助けた。今季こそ大化けしてくれることを切に願う。

FW
ラファエル・ハットン 5.5 (82分 OUT)
今日のところはボールに触る回数も少なく、何とも評価が下せない。トップ下で北野が輝いた分、少し割りを喰った形となった。ボールが収まらなかった点は非常に気になるが、スタメン起用されたのには理由があるのだろう。今後に期待。

交代出場

中村 拓海 6.0
(73分 IN)

決して悪くはない内容でのセレッソデビュー戦。バックアッパーとなるのかスタメンを勝ち取るのか、今後が楽しみである。

チアゴ・アンドラーデ  5.5 (73分 IN)
まだ今節のパフォーマンスでは満足はできない。ルーカス・フェルナンデスから色々と学んで欲しいと思う。

中島 元彦 ー (82分 IN)
出場時間が短く採点なし。が、誰もが歓喜したゴールはお見事。

喜田 陽  ー (91分 IN)
出場時間が短く採点なし。

西尾 隆矢 ー (91分 IN)
出場時間が短く採点なし。

監督
アーサー・パパス 6.5
開幕ダービーでこれほどの結果を残してくれて、ひとまずは感謝しかない。彼の監督としての能力がどのレベルなのか、現時点ではまだ判断はつかないが、少なくとも魅力的なサッカーを志向していることは分かった。


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