この間、読み終えた小説を1冊ご紹介。今野敏の『同期』。シリーズ化して3作刊行されているようだが、その1作目である。
書名 | 同期 |
著者 | 今野敏 |
発行年 | 2009年 |
タグ(ジャンル) | ミステリー小説 |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
警視庁捜査一課の若手刑事が、逃走中の暴力団員に発泡されるも、そこに居合わせた同期で公安の刑事に救われる。しかしその後、命を救ってくれた公安の同期は理由が明かされないまま懲戒免職となり、データがすべて抹消され、さらに本人も行方不明になってしまう。
同期の行方を探しながら、担当する事件を調べていくうちに、その同期の元刑事が容疑者として浮上し、さらに謎が深まる. . . 。
読後の感想
ごく稀にハズレはあるが、ほぼ安定した作品を書き続ける今野敏。この作品も水準以上の作品だった。
文体に深みがないので、軽い内容に感じがちで読みやすいが、きちんと練られた物語であることは間違いない。
主人公をはじめ、先輩刑事や上司たちも魅力あるキャラクター造形がされていて、読んでいて登場人物がすんなりと頭に入ってくる。似たような性格の人物たちが、しっかりと描き分けられている筆致は見事という他ない。
内容的にも、序盤はやや面白みに欠けるが、その分、後半はぐんぐん加速して、ほぼノンストップで読んでしまった。
重厚な作品が好きな人には諸手を挙げてのオススメできないが、軽い気持ちで読み終えられる警察小説である。
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